内容説明
「無茶勘」こと落合勘兵衛は「武士は働くために食う。食うために働くものではない」と父孫兵衛に厳しく教えられて成長した。武を鍛錬し文に励む日々。だが、越前大野藩に不穏な影は忍び寄りつつあった。そしてそれは一人の藩士の斬殺体から始まった…。藩政に翻弄されながらも毅然として生きる父と子の姿を清冽な筆致で描く、著者渾身の教養小説(ビルドウンクスロマン)の傑作。
著者等紹介
浅黄斑[アサギマダラ]
関西大学工学部を卒業し、技術者として会社勤務の後、1992年『雨中の客』で第14回推理小説新人賞を受賞し文壇デビュー。1995年『死んだ息子の定期券(他)』で第4回日本文芸家クラブ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
65
勘兵衛の無茶ぶりが面白い。徳川家康の孫で越前大野藩五万石の藩主・松平直良に仕える郡方勘定役小頭七十石、落合孫兵衛の嫡男・勘兵衛の活躍の物語です。勘兵衛は、今までに無茶が過ぎて三回死にそうになって大騒ぎされた、そのために無茶の勘兵衛と呼ばれています。物語は、孫兵衛と勘兵衛の親子が、大野藩の面谷銅山に関わる銅の不正にかかわる悪事を暴く痛快時代劇です。大野藩家老・小泉権太夫と郡奉行山路帯刀が、私腹を肥やすために銅山の銅のうち4割を帳簿から外しその部分を懐に入れます。浅黄斑さんの本を読むのは初めてです。→2022/10/16
かっこちゃん
4
無茶の勘兵衛日月録の第一巻。お気に入りさんがシリーズを読んでいるのを見て、読み始めました。旦那の故郷福井県というのも大きいですが。物静かな父と、若く躍動的な勘兵衛。いいですね、誰が敵で、悪者はだれなのか?周平は哀れでしたが、父親の疑いははれ、友情も誤解が解かれ嬉しい日々が戻ってきました。4人の仲間のいく先はどうなるのか?シリーズはずいぶん続いているようです。2020/11/16
Abercrombie
3
○ 越前大野藩を舞台に、若侍の成長を描く、友情あり、家族との絆あり、お家騒動あり、斬り合いありの、爽やかな時代小説。主人公はべつに無茶ではないなあ。冷静でむしろ老成してる感さえある。2018/09/07
さらちゃん
3
面白いかも。しばらく読もう。 星3つ2018/03/10
nyaboko
3
越前大野の貧乏藩士落合家の長男坊勘兵衛が主人公。元服前の少年が藩のお家騒動に巻き込まれながら家督を継ぐまでの話。今巻は登場人物の紹介と藩の陰謀をからめて藩の内情を紹介する、なんというか起承転結の起の部分でしかないような印象。主人公は結構忍耐力あるので「無茶」というのとはちょっと違う気もする。次巻以降に期待。2012/05/29
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