内容説明
英雄の義経はなぜ「使い捨て」にされたのか―リストラ時代の企業戦士の悲哀に通じる悲劇と謎と真実。
目次
第1章 義経の出生と奥州にまつわる謎
第2章 兄・頼朝との再会と初陣をめぐる謎
第3章 平家滅亡に追いこんだ義経、怒涛の快進撃の謎
第4章 栄光の道を閉ざされた英雄・義経の流浪の日々の謎
第5章 悲劇の最期を遂げた義経にまつわる謎
第6章 義経のイメージを覆す史実とスキャンダルの謎
第7章 悲劇の英雄・義経を支えた家来たちの謎
第8章 義経伝説を彩った輝かしい脇役たちの謎
第9章 時代を超えていま再びよみがえる義経伝説の謎
著者等紹介
高木浩明[タカギヒロアキ]
1967年、岐阜県に生まれる。二松学舎大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程修了。同大学院助手を経て、97年より代々木ゼミナール講師として古文を担当。フレンドリーで親しみやすく、しかもわかりやすい授業で生徒に根強い人気を誇る。2004年から仕事と研究の拠点を関西に移し、代々木ゼミナール京都・大阪南・岡山・広島校を中心に講師活動を続けるかたわら、専門分野である中世文学をはじめ、時代・ジャンルを問わず幅広い執筆活動を続ける
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感想・レビュー
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m
3
小学生の頃から義経は手放しで好きだったが、最近その評価が怪しくなってきた。鎌倉殿でも戦の才はあっても政治的には上手く立ち回ることができない人物として描かれていたなぁ。一つ一つがコラムのようで読みやすいので電車等の移動の際にちょうど良かった。2023/06/09
いっち〜
2
源義経とその周囲の人々の生涯を色々な文献の記述や憶測を交えつつまとめた本。読みやすい。源義経関連だけで1冊掘り下げているので、小学生時代に伝記を読んだだけの私には知らないことが非常に多かった。文献も『吾妻鏡』『平家物語』などメジャーなものから、初めて聞くようなマイナーなものまであってなかなかしっかりしていた。個人的に義経=チンギス・ハーンの伝説にも触れてくれてのは嬉しい。ただ、全体として広く浅くした感じはあるので、読み物としては面白いけど専門書としては物足りないかもしれない。2016/08/09
JUN
1
ちょうど自分が中尊寺に行った時期に重なったので良かった。常盤御前、郷御前、義仲の巴御前などの関連性も分かった。一番衝撃を受けたのは、奥州藤原の三代目の秀衡が正室の息子の泰衡に家督を譲った時に、側室でありながら実際に年上の長男であった国衡を気遣って、自分の正室である妻を国衡の嫁とした。かなり複雑な流れ?で、現在では考えられない事態。2010/08/25
猿山リム
0
タイトルから事件のない高田崇史みたいなのだったらいいなという期待しつつ手に取ったらけどやっぱり違った。 謎のままのものや、謎すらない項目もあり。 歴史書や古くから伝わる読み物としての書物から無難な解釈を示している印象。 事前に伝記を複数読んでいたので、大体それをなぞっただけな感じであった。 伝記や伝承と全然違う解釈を示すと、すべての謎が納得いく形で収まる・・・そんな内容だったらよかったのに。 ジンギスカン伝説までも一応解説はあるけれど、無難すぎる解釈が残念に思えた。 伝記を読んだほうがいい。2021/02/14