内容説明
幼い息子と放浪の旅を続けるレイチェルは元テレビ伝道師の未亡人。有り金も底を尽き、家がわりの車がエンストしたのは、皮肉にも亡き夫が伝道の本拠にした町。彼は信者達から詐欺同然に多額の金を巻き上げたため、彼女も町の人々から非難される。その町で彼女は、数年前に妻子を交通事故で亡くしたゲイブに出会う。いまだ悲しみから立ち直れない彼はドライブインを始めようとしていた。ゲイブに雇われたレイチェルだったが、やがてふたりの間に愛が芽生える。RITA賞(米国ロマンス作家協会賞)受賞作。
著者等紹介
フィリップス,スーザン・エリザベス[フィリップス,スーザンエリザベス][Phillips,Susan Elizabeth]
オハイオ大学卒業。1983年に友人と共著の歴史ロマンスで作家デビューを果たす。その後、単独で書きはじめ、90年代に入ってロマンス小説で注目を浴びるようになる。98年に『あの夢の果てに』で、また2000年に『ファースト・レディ』でRITA賞(米国ロマンス作家協会賞)を受賞。いまやロマンス小説の分野でもっとも人気のある作家のひとり。現在、シカゴ近郊に在住
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感想・レビュー
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だむ
15
シカゴ・スターズ・シリーズ④ めちゃくちゃ良かった!RITA賞受賞作品。前作ヒーローの弟×子持ちの未亡人ヒロイン。数年前に妻子を事故で無くし未だ立ち直れていないヒーロー。仕事も家も無くしドン底の中でも息子に愛を注ぎプライドを持って生きているヒロイン。2人のロマンス・親子愛・兄弟愛・家族愛などがたっぷり描かれていく。そしてなんと言ってもエドワード!この5才児の一生懸命さ純真さに心を奪われ何度も何度も彼を抱きしめたくなった。読み終えた後、満足感・幸福感にどっぷり浸れる素晴らしい作品でした。2020/09/04
veri
15
治すためには、自分が傷を負っていることに気づかなきゃいけない。そこがスタート地点。ゲイブが悲しみの底から這い出す過程がとても自然で、同時にその深さが辛かった。レイチェルの強さも崖っ淵の強さだからかいつ緊張の糸が切れるかとハラハラ。チップが段々と子供らしくなっていくところも本当に良かった。賢さゆえに生意気だけどwトラウマは結局は自分の力で乗り越えるしかないけれど、誰の手を借りてもいい。ゲイブとレイチェルは互いに手を借りて乗り越えたんだろうと思う。それにしても何故このシリーズはヒロインのストリップ率が高いのw2016/06/25
Michelle
14
テレビ伝道師だった死んだ夫の元信者達の怨みを一身に背負って、絶望的な貧困の中、5才の息子を育てる為に死にものぐるいで境遇に立ち向かうヒロイン。対するヒーローは、2年前に愛する妻子を交通事故で失い、死んだように生きている。ギリギリのところで踏ん張っているヒロインに涙。「僕たち死んじゃうの?」って聞く息子のセリフが辛い。テレビ伝道師の未亡人なんてロマンティックな要素薄そうで、日本人には馴染みのない宗教観がベースにあるけれど、めちゃくちゃ面白かった。2024/06/12
harutamano
11
ヒロイン、レイチェルの苦悩と行動力、そして魂の成長を感じるだけに三馬鹿兄弟がとんますぎる。そこが愛すべきヒーローたちなんだろうけどイーサンひどくないか君。少年の方がよっぽど大人やん。サスペンスがほどよく読めました。2019/11/24
eko
11
シカゴスターズ4作目。妻子を亡くし辛うじて生きてはいるゲイブと、息子と2人極貧の中で懸命に生きているレイチェルのお話。そんな2人を出会わせて、お互いの魂を救ってしまうロマンスを紡ぎ出すSEPすごい。キャル&ジェーンのその後や三男イーサンのエピも楽しめます。重めのストーリー展開ではありますが主役2人のセリフに何度も吹いた♪ジェーンが霊廟とよぶレイチェルの元家やライフルを振り回すアニーおばあちゃん!のコテージが出てきたり風景がリンクするのもシリーズならでは。ラストもハッピーで満足♪2016/08/09