出版社内容情報
日高拓也と北原紗月は同じ剣道部に籍をおく中学生。互いにひかれあい恋人同士に。が、拓也には普通の恋愛では満たされない密かな思いがあった…。紗月の脚への執着、紗月の怜悧な視線が刺さるときの快感。自らを「俺は紗月の犬や」と告白する拓也。そんな拓也に嫌悪する紗月だが、いつしか自分も尋常ではない自身の性向に気づかされてゆく…。妖しい月の光のような耽美な描写と谷崎潤一郎文学を髣髴とさせるストーリー展開。今の時代も読み継がれる名作コミック。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猿兎
2
こんな結末想像できなかった。最後の方はなんかゾワゾワした。何回か気分が悪くなったので、再読するのは勇気がいるなあ。2015/08/04
越後屋はるさん
1
やはり最後はそうなるかと順を追えば想定内の情景。でも目隠しははずした方がより刺激的かも!2015/11/11
風鈴黒餡
1
県大会で好成績を収めるも、事故で剣道の夏を終える二人。それを機に更に深い部分での繋がりを求め、大親友のマルケンも巻き込んだ底無しの官能に沈んでいく。「1日24時間、1年365日。全部の紗月を見ておきたい」、自分では光れない月の拓也と、「拓也君の死ぬ時は私が決めてあげる」、太陽の光の紗月の世界は究極の愛の境地の更に先へと進んでいく。映画の綺麗な夕焼けにスピッツが流れるEDを想像していただけに、ラストは結構衝撃的。青春漫画としても、純粋な愛と耽美の世界としても全力で振り切れた素晴らしい作品でした。2015/05/22
プロムナード
0
谷崎をはじめ、日本文学の古典からの引用が付されていますが(これは文庫版からなのかな?)、確かにここには倒錯に美を見出す日本文学の血が流れているように思います。これは、妄想を押し付ける自己本位の男の話ではないと思う。相手をみすえ、関係をつくろうという強い意思から生まれた物語だと思う。あとはもう事故みたいなもので、こういう出会いがあったらそこに正面からぶつかるしかないんでしょう。それにしても、彼らが中学生だったってことに気づくとびっくりですよ!2015/11/29
タリスポッド
0
最後はさらっとすごかった。2015/09/06