双葉文庫
犬儒派だもの

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575713107
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「二十世紀の負の遺産を残したまま二十一世紀は始まった。…なぜもっと大上段に構えない。なぜもっと深刻そうに論じない。そう不満を持つ人もあろう。しかし、これが私のやり方なのである。だって、犬儒派だもの」。え!?犬儒派って何だって!?それは序文をご覧あれ。シニカルに大笑い。知的なユーモアが横溢する傑作エッセイ集。

目次

第1章 声に出して笑いたい誤文・悪文
第2章 我が師、我が友
第3章 自我と毒薬
第4章 煙が目にしみる
第5章 都鄙問答
第6章 毎日の犬儒派―世界のキーワード

著者等紹介

呉智英[クレトモフサ]
1946年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

142
「犬儒派」はプラトンを批判したディオゲネスらのグループを指す。呉さんらしい言葉選び。呉さんの評論や随筆を収録。その博学タイトルから最後まで大変興味深く拝読。主に近現代の正義とされる「民主主義」「自由主義」「法治国家」の政治や社会について、言葉の揚げ足取り的に批判。が、それは極めて論理的で、現実的で、前向きな主張。揚げ足取りとは思えない清々さ。言葉に絶対的意味はない。その意味を社会はうまく移り変えるべきと主張。社会を牽引するは超高学歴で超高偏差値の社会人ら。彼らが批判する学歴や偏差値の矛盾はの指摘は印象的。2021/04/22

うえ

11
「水木しげるは常人とはちがう思考をする人だ。水木のもとに出入りするようになってほどなくして、私はそう実感することになる…あえて言えば、王様は裸だと叫んだ子供のように素直で、しかし、そんな子供の残酷さとは無縁の明朗さがある、ということになろうか」「水木しげるを貫くものは、一種の自己本位主義であり、快楽主義であり、現世主義である。それが見事に明るく、水木の好きな言葉で言えば「朗らか」なのだ。権威や超越的なものに価値を置かないのだけれど、反権威主義という別種の超越的権威を信じているわけではない」2017/12/26

ウェイランド

5
水木しげるが亡くなる前に書かれた呉智英と水木しげるの思い出話が面白かった。2016/05/07

tnyak

4
やっぱり面白い。やや奇矯なところはあるが、自分自身も切られる覚悟をもって、文筆活動を続けておられるのだと思う。著者と水木しげるさんとの思い出話が面白かった。2020/09/12

金北山の麓に生まれ育って

4
【ここまでだったけど偉大です】やっぱり面白い。橘氏や梶谷氏のようにブログをつないで本を作る人が居らず、朝日批判がタブーだった時代に呉智英は本当に輝いてた。奇矯なところはあるが自分も斬られる覚悟で筆誅を加えんとする姿や優しさに溺れまいと堪える姿も信頼出来た(三章の中島梓への筆誅と岡崎次郎の遺稿をみよ)。初めてこの書で呉氏は自分を詳細に語った、父母の面倒で実家に帰ったこのころからなぜか時代も変わり呉氏も勢いを失った。2019/10/05

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