内容説明
アルコールの海を泳ぎ、酩酊の夜を越え、覚醒の朝を迎える。固い豆腐を肴に一升酒を呑んでいた酒中時代から入退院の果ての酒断時代まで、文学とロック、酒とクスリを友にして、日々見たこと感じたことを独特のペーソスで綴る上質のエッセイ。肩に太極印の刺青、手にはエンピツ。ガリゴリと書き続けた、らも文一気。
目次
1 酒中時代(なぜ今私が人前に出るのをやめたか;「虚」がセーラー服をまとっている;なんざらでもない時代 ほか)
2 閑・音・休・食(私は米が炊ける;ちくわのおかげ;52分目のネパール定食 ほか)
3 酒断時代(ニュートラルでいること;酒玉の記;身体を汚すの記 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
84
らも氏相変わらずのエッセイ集。いつも思うのは氏はもう亡くなっただけれどまだどこかに篭って書いているような気になる。「教養」とはつまるところ自分ひとりでも時間が潰せるということでこれからの時間「遊ぶ技術」をもっているかということでもあるそうだ。メモ。あと東海林さだお氏も「丸かじり」シリーズのファンということで座右座左座前座後の書でもあることを知った。他山田風太郎「甲賀忍法帖」のこと、酒、クスリ、バンド・劇団のこと、自分のこと、人のこと。2018/01/03
さきん
27
1952年から2004年の著者の人生で1997年と晩年に近い。早死にしてしまったのは、お酒、ドラッグ、不摂生な生活が祟ったようだ。エッセイの中でも時折その不摂生さが感じられた。1997年というと消費税が増税されて、バブルの残り香も綺麗に失せた年、出版業界の市場規模もピークを過ぎたくらいで急速に電子媒体が進化してくる時期だ。2018年だったら絶対に出版できないほど、内容がだらだらしていて、ある意味こんな内容でも出版できた贅沢な時代だったんだなと感じた。2018/03/18
とんかつラバー
14
1話が3〜4ページなのに無駄が全くなく面白い話が次から次へと押し寄せてくる。らもさんについてはそんなに知らなかったが、酒をめちゃ飲んでたのは知っていた。酒以外にも薬もやっていてよくこの時点で生きていたと感心する。そしてこの人が今は亡くなっていないんだと思うと生きていた頃にもっと作品を読んでおけば良かったと後悔。自分の死に方の予言や葬式の希望にもセンスがありすぎ。2023/09/29
hope
13
*感想は後日(たぶん)2024/12/06
やまねっと
11
おそらく30代後半から40代前半にかけてのエッセイ集。 個人的にはリリパの話が嬉しい。やはり酒飲み話は面白く読んだ。死ぬときの話とかも書かれているが、案外当たらずもがなといったところか。2020/08/13
-
- 和書
- 雑学艶学 文春文庫