出版社内容情報
御蔵前の札差「小泉屋」の跡取りの新兵衛は、放蕩三昧で気ままな日々を過ごしている。ある日、両親に縁談の話を持ち掛けられる新兵衛だったが、まだ身を固めて家を継ぐ気はなく、縁談を保留し、後学のためと称して諸国を巡る旅に出る。馴染みの太鼓持ちの和助と、訳ありげな用心棒の稲妻五郎と、まずは東海道で箱根に向かう新兵衛だが、行く先々で様々ないざこざに巻き込まれ……。笑いあり、涙ありの大注目シリーズ、堂々開幕!
内容説明
御蔵前の札差「小泉屋」の跡取りの新兵衛は、放蕩三昧の日々を過ごしている。ある日、両親に縁談の話を持ち掛けられる新兵衛だが、まだ身を固めて家を継ぐ気はなく、縁談を保留し、後学のためと称して諸国を巡る旅に出る。馴染みの太鼓持ちの和助と、訳ありげな用心棒の稲妻五郎の三人連れで、東海道で箱根に向かう新兵衛だが、行く先々で様々ないざこざに巻き込まれ…。笑いあり、涙ありの大注目シリーズ、堂々開幕!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家などを経て、94年に作家デビュー。冒険小説、ハードボイルドを皮切りに、近年は時代小説に力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
127
札差「小泉屋」の跡取りの新兵衛、とある理由(その理由はすれ違いの勘違い)で、太鼓持ちの和助、訳あり謎ありの稲妻五郎を用心棒にして、将来のためと諸国を巡る旅に出る。まずは箱根を目指すのだが、そりゃもう、いろいろ巻き込まれる。箱根から次はどこへ行くのか。と思ったら、あらあらそうなるのかい。“三人寄れば文殊の知恵”ならぬ“三人寄ればいざこざの種”となる。旅は道連れ世は情けを地で行くような江戸の旅物語シリーズで、個人的には面白そうなシリーズに手を出してしまった。続きがすごく楽しみだ。2025/01/14
タイ子
67
札差屋の跡取息子・新兵衛。今日も料理茶屋に芸者を呼んでどんちゃん騒ぎ。太鼓持ちの和平も新兵衛にヨイショ。親があきれ果ててるところに新兵衛、いきなり旅に出るとの宣言。母親の秘密を楯に旅賃を上乗せ。和平が連れて来た用心棒・稲妻五郎と和平、新兵衛の3人連れの旅が始まる。旅の途中の宿近辺に現れるという物の怪やら、辺りの宿泊人を狙う盗っ人を探したり旅も大いに満喫。だが、路銀が足りなくなって江戸に舞い戻った新兵衛たち。自由に生きる新兵衛の筋の通ったある思いに感動すら覚える。それをも胸に再び旅にしゅっぱ~つ!2025/02/26
楽駿@新潮部
28
品川図書館本。札差屋の跡取り息子の東海道の旅話。武士の矜持とその実態や、そこそこ裕福な商人の家族の実態のあれこれと、話のバランスは上手い。せっかく、箱根まで東海道を歩いてきたのに、事件勃発で、結局、初めに戻る。けれど、戻ったおかげで、事件の収拾もついたし、札差の商売がこの先にどうなっていくのか、かなり不安な事になっているのも、ここで判明。さてさて、本編はここから開始と言う感じ。時代背景を感じるには、楽しい。2025/02/07
ひさか
21
2024年8月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。かなりいい加減な成り行きで旅に出る3人の道中記でこんな展開で面白い話になるのかと心配したが、あれれ、ちゃんと楽しい話になっているのが驚き。さすが。プロット通りなんだろうけど、予想出来ない展開も面白かったです。続きが楽しみ。2024/12/31
ふわりん
11
お初作家さん。時代小説はほぼ決まった作家さんしか読まなかったけど、これはタイトルに惹かれて読み始めた。膝栗毛というには旅をするんだから、あの時代の観光名所も楽しめるかもと期待してた。でも新兵衛たちはひたすら箱根を目指して歩くだけ、途中食べるのは握り飯や団子やお茶漬けなど、あれれ、何かなぁ。なので初めのうちは期待とは違った旅だったけど、箱根での滞在の様子も面白く事件が起きてからはそっちの先も気になり、これは私的にはヒットなシリーズになりそうだと嬉しくなった。事件が解決し、また旅に出る三人を追いかけていこう!2025/01/28