出版社内容情報
藩と領民が力を合わせ「国替え」という最大の難事を乗り越えた高岡藩井上家。先代正国の葬儀も滞りなく終わり、京の出産も間近に迫る中、正紀の腹心である植村に縁談が持ち上がる。一方、市中では複数の侍が白昼堂々商家に押し入り金子を奪うという大胆な手口による押し込みが発生。北町与力の山野辺は、下手人捜しに奔走するが──。シリーズ第27弾!
内容説明
藩と領民が力を合わせ「国替え」という最大の難事を乗り越えた高岡藩井上家。先代正国の葬儀も潜りなく終わり、京の出産も間近に迫る中、正紀の腹心である植村に縁談が持ち上がる。一方、市中では複数の侍が白昼堂々商家に押し入り金子を奪うという大胆な手口による押し込みが発生。北町与力の山野辺は、下手人捜しに奔走するが―。シリーズ第27弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部卒。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。本シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はにこ
44
藩のお金を増やそうと相場に手を出す。ちょっとは余裕が出てきたようだ。街では強盗が現れる。その強盗の裏には黒幕がいて。高岡藩のメンバーは捕縛に手を貸す。今回は高岡藩に危ういところが無いので安心して読めた。植村のことを上司や正紀がちゃんと考えてくれていたのが良いね。2024/03/24
baba
29
武家の次男、三男の置かれた境遇、貧困にあえぐ中、5両に誘われ悪事に手を貸す過程が、現在の振り込め詐欺の受け子など知らぬうちに悪事に手を染める様のよう。今作は高岡藩に関係なく、安心して読めた。2024/08/12
ひさか
14
2023年12月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ27作目。植村の縁談と出産間近の京、銭相場、今でいう闇バイトの話とが重なる展開が、面白い。なんだかんだで、植村、京は良い方向へ進み、闇バイト事件も片づいて、大団円。銭相場は難しいというオチが楽しい。2024/09/30
hiyu
8
現在にもあるような投機的な動きや犯罪。その中で無骨、不器用すぎる植村の仕草、振る舞いや結果が救いではあろうか。2024/06/16
Abercrombie
5
部屋住みの若侍たちを利用した押込み強盗は、昨今の闇バイトを模したものか。京の出産、植村の縁談、銭相場への投資等を絡めつつの、着実な捜査は安定した面白さ。高岡藩にほぼ影響ない話だと気楽に読めるなあ。2024/02/02