出版社内容情報
静香というよき伴侶とともに初めて迎えた正月、平手家の門前に鳥追の女が現れた。
おつたと名乗るその女は七年前、無理心中を強いられ苦しんでいたところを、又兵衛の父に救われたのだという。
だが父又左衛門が亡くなったのは十一年前。困惑する又兵衛だが、この出会いをきっかけに、父の死の真相を知ることと
なる――。
怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強の時代シリーズ第四弾!
内容説明
静香というよき伴侶とともに初めて迎えた正月、平手家の門前に鳥追の女が現れた。おつたと名乗るその女は七年前、無理心中を強いられ苦しんでいたところを、又兵衛の父に救われたのだという。だが父又左衛門が亡くなったのは十一年前。困惑する又兵衛だが、この出会いをきっかけに、父の死の真相を知ることとなる―。怒りに月代朱に染めて、許せぬ悪を影裁き。時代小説界の至宝、坂岡真が贈る、令和最強の時代シリーズ第四弾!
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。四季折々の江戸の情緒と人情の機微を、繊細な筆致で綴る時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
78
南町奉行所例繰方与力で香取神道流を極めた剣客・平手又兵衛の活躍を描いた物語です。 例繰方とは、江戸時代、町奉行所の一部課で。判例を整理し判決録の保存を主任務とし、また、必要な場合には先例の調査にも当たった。 展開が早く、最後は又兵衛の剣が全てを始末する。痛快です。 此度は、釣り鐘小僧、密命にあらず、父の執念、の短編3話からなっています。その中でも「釣り鐘小僧」が良かったです。🌿①➁へ続く→2022/01/23
ひさか
14
2021年11月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。釣り鐘小僧、密命にあらず、父の執念、の3つの連作短編。父の死に隠された謎を解決する「密命にあらず」、「父の執念」の2篇が圧巻。この巻まで続いたワンパターンの話は、この2篇を盛上げるための布石だった!(にしては長すぎるが)…。香取神道流の又兵衛が和泉守兼定で悪を成敗するくだりが楽しい。2022/02/23
ゴルフ72
12
又兵衛がやっと静香さんと祝言を上げた前回から今回の第4巻も祝言のよすが描かれている。二人の幸せを祈りつつも…最大の関心事であった父の仇を討つまでが描かれている。かなり複雑に絡み合った糸が少しづつ解かれ守山豊後守との対決・・・それは鳥追いのおつたがもたらした一言から繋がった。読み応えがあったねぇ。さあ期待しながらの次号へ 2023/05/19
Tatsuhito Matsuzaki
11
又兵衛に勘定奉行から隠密御用の命が下る。 調べを進めると父の不審死につながる過去の密命が明らかになり、又兵衛自身にも命の危機が迫りくる…。 今作では、普段感情を内に秘めている又兵衛が上司に激昂したり恩人の言動に号泣したり、はたまた普段は頼りにならぬ上司たちが、何故か又兵衛の窮地を救ったりと、途中からは目まぐるしい展開に息つく隙無く読了しました。 それにしても、これだけの大事件が起こったのに又兵衛が褒められも処分もされず、事件自体も表沙汰にされずに普段通りの日常に戻るところが小説らしいところではありますね。2024/04/12
どきん
3
ただのはぐれが爪を露わにした能ある鷹になってしまった。父の仇もうち次号はどうなる?2024/07/01