出版社内容情報
内密に施療を頼まれた男は脾腹に刺し傷を負っていた。男がある殺しの下手人ではないかと新吾は推察し、事件の詳細と男の素性を探りはじめる。ところが、その事件の深部には松江藩をも揺るがす、重大な秘密が隠されていた。好評・書き下ろし長編時代小説、第13弾!!
内容説明
刀傷を負った男の施療を新吾はやむをえず引き受けた。男は大きな商家の奥の間に匿われるようにしていた。受傷の模様など疑問はあったが、新吾は医者の務めを果たすことに専心した。その後新吾は、人を殺めた下手人が手傷を負って逃げていることを知る―。好評・書き下ろし長編時代小説、第13弾!!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京都生まれ。データベース会社に勤務のかたわら執筆した「原島弁護士の処置」でオール讀物推理新人賞を受賞しデビュー。『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞、『絆』で第41回日本推理作家協会賞長篇賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
84
展開が、2転、3転し最後に驚きの黒幕が……推測されます。松江藩医・宇津木新吾が、医師としての治療だけでなく、係わった患者の人生に首を突っ込んでいく物語です。天保2年(1831年)7月。江戸米沢町にある乾物問屋「西国屋」と松江藩が、高麗人参を幕府の許しなく海外と密貿易した証を握られて一万両を脅されます。場所を江戸時代に設定したミステリー小説です。字も大きく、読みやすく、テンポもよく、毎回読むのが楽しみな一冊です。シリーズ13作目。字の大きさは…中。2021.09.21読了。★★★☆☆2021/09/22
ひさか
18
2021年8月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ13作目。謎の怪我人、消えた患者、一万両の強請、幕引きの4章で語られる話は、前回と同じで、新吾が患者のおせっかいを焼く、幻宗に相談、松江藩を調べる、間宮林蔵と話す、と、せっかく香保さんと結婚できたのに、代わり映えのしない展開。少しパターン化してるかな。2023/03/19
犀門
3
No.148★★★★☆相変わらず新吾さんは厄介ごとに首を突っ込むねぇ。まー、医者として治療だけしていたら、こんな面白いシリーズにはならんからね。許そう。2021/12/03
Suzu
2
宇津木新吾シリーズ第13弾。松江藩と西国屋の抜け荷に絡む事件に巻き込まれる新吾。ずっと気になっていた幻宗がどうやって施療院を患者から一切金をとらずに運営できるのかの疑問について幻宗の口から明かされる。漠泉はまた表御番医師に復帰するのだろうか。町医者はそんなにいけないのか。虚しいのか。私としては漠泉は誇りを持って町民のために町医者を続けてほしいのだが。事件の黒幕美濃守との対決はどうなる?そして次巻を読む。2022/06/28
ササ
2
シリーズ最新刊。またもや事件に巻き込まれる新吾。まさかお抱え医師として務める松江藩の事件に巻き込まれるとは!この巻で少しでも幻宗先生の金の出どころがわかった。もう13巻なのに!(笑)新吾の変わらない意固地とも言える正義感は、微笑ましくもある。2021/12/05