出版社内容情報
神田から下谷、浅草界隈の質屋や金貸しの店先に、御布施を貰うまで経を読み続ける托鉢坊主が出没していた。怒鳴られ突き飛ばされ、水を掛けられても読経をやめようとしない托鉢坊主の狙いは一体何なのか? 南町奉行所臨時廻り同心の白縫半兵衛は、密かにその坊主のあとを追い始めるが……。書き下ろし人気シリーズ第十三弾。
内容説明
神田から下谷、浅草界隈の質屋や金貸しの店先に、御布施を貰うまで経を読み続ける托鉢坊主が出没していた。そんな折り、高利貸しの徳兵衛が何者かに殺され、金と借用証文が奪われた。臨時廻り同心の白縫半兵衛は、徳兵衛殺しの探索を開始するが…。徳兵衛を殺めた下手人は一体誰なのか。そして、店先で怒鳴られ突き飛ばされ、水を掛けられても読経をやめない托鉢坊主の真の狙いとは?「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十三弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年、北海道旭川生まれ。「特捜最前線」「水戸黄門」などテレビドラマの脚本家、監督を経て、2002年に作家デビュー。以降、時代小説で数々のシリーズを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
151
大好きなシリーズでいつも安心して読んでいる。「岡場所に行かされるよりは」と言う元許嫁の言葉に静かに身を引く男一人のタイトル作が好き。ラストの鍛銀師の倅宇之吉の双子の兄…勘当されてどうなっちゃっただろう。第13弾!4話とも面白く読んだ。2021/06/19
やま
82
妻が、夫を殺したと言って血の滴る包丁をもって…死体がない。北町奉行所臨時廻り同心・白縫半兵衛の人情裁きが冴える物語。此度4話ともに身につまされるような話で、特に「秘伝薬」の亭主の苦しみを見かねた女房が、夫を刺す話が印象的でした。そして「三毛猫」の話が心に残りました。兵衛が、松本家に婿入りしながら、将来家を出て自分の生活を送るため、当初から二重生活を送り、妻と子を養いながら…。 【読後】 物語が淡々と進んで行きます。読むのに慣れ、人物構成も良く知っているので、読みやすいです。字の大きさは…中。2021/08/04
goodchoice
3
いずれもテンポのいい筋立てでとても楽しく読める。2021/08/05
Suzu
1
新・知らぬが半兵衛シリーズ第13弾。第一話偽坊主。由衣さんが金五郎を庇って命乞いをしたのは金五郎への恩義ではなく蒼念を殺人者にさせたくなかったからではないかと思いたい。第二話三毛猫。松本家にお咎めなしっていうのは納得いかないけど平十ら一家が穏やかな暮らしがずっと続けば、まーいいかと。第三話秘伝薬。ただひたすら切ない。二人ともお互いを思い遣ってしたこと。人ってのは優しくて哀しいものだ。第四話甚振る。宇之吉に黒岩家に戻れと言ってきたのに対して馬鹿野郎今更誰が戻るかの啖呵にすっとした。そして次巻を読む。2022/06/03