出版社内容情報
家請業を営む「大和屋」は、克次の優しさゆえか、商売の仕方が甘いと言われている。現に信頼して判をついた一家が夜逃げした。対処に追われる中、大和屋先代・藤右衛門から頼まれ事をする。かつて請け判をついて以来、親しくしてきた船宿の主人が首をくくったのだが、実は殺されたのではないか、それを調べてほしいと。とうに十手は返したが断り切れずに探索する克次、そして思い人のお京にまで命の危険が迫る! 人情家克次が悪を討つ、シリーズ第3弾!
内容説明
二年前に十手を返上し見よう見まねで深川の家請人業を継いだ克次は甘い商売だと陰口を叩かれようとも人情を重んじてきた。そんななか先代の藤右衛門から、かつて請け判をついて以来親しくしてきた実直な船宿の主人が首をくくったのは、誰かに殺されたに違いないから調べてほしいと請われる。恩人の頼みと再び探索に乗り出した元岡っ引きの克次に恐るべき極悪一味が襲いかかる。そしてほのかに心を寄せるお京が攫われ―克次の思いがついに爆ぜる!凛と胸を打つ傑作時代シリーズ堂々の新装版第3弾!
著者等紹介
築山桂[ツキヤマケイ]
京都府出身。大阪大学大学院博士後期課程単位取得。専攻は日本近世史。1998年『浪華の翔風』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
80
克次の想い人お京が拐されます…。シリーズ3作目。字の大きさは…中。元岡っ引きで、家請人である江戸南森下町の大和屋克次の人情捕物噺です。家請人とは、今でいうところの賃貸保証人・保証人代行などの不動産業者です。克次は、大和屋を譲ってくれた先代主人の藤右衛門の頼みで、船宿の主人・富吉が首を括った件を探るべく動きだしますが。十手を持っていない身では、なかなか探索がしづらく。難儀していた矢先に、藤右衛門の世話をしているお京が、宝屋に拐されます。それを知った克次は、我を忘れて宝屋へ駆け込みますが…。🌿続く→2021/06/25