出版社内容情報
銀杏も輝く神無月、照降長屋に剽軽侍、田川頼母が越してきた。浅間三左衛門ら住民は歓迎の宴を催すが、身請け話が持ち上がっている芸者の小菊に頼母が惚れてしまう。見かねた長屋連中が身請けの半金三十両をかき集めて手渡した矢先、頼母に残酷な運命が襲いかかる。三左衛門の怒りの小太刀が江戸の悪を叩き斬る!! 話題の新装版、第六弾。
内容説明
銀杏輝く神無月。気のいい侍、田川頼母が照降長屋に越してきた。浅間三左衛門らは盛大な宴を催し歓迎するが、頼母は日に日に元気をなくしていく。宴席で惚れた芸者小菊に身請け話が持ち上がっていたのだ。見かねた長屋連中が身請けの半金三十両をかき集めて手渡した矢先、思わぬ悲劇が頼母を襲う。義を見てせざるは勇なきなり―。今宵かぎりの鬼と化した三左衛門が江戸の悪を叩き斬る!!話題の新装版、第六弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。四季折々の江戸の情緒と人情の機微を、繊細な筆致で綴る時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
99
照れ降れ長屋風聞帖6作目「新装版」2020.05発行。字の大きさは…中。白鼠、月夜の釜、木更津の女、子授け銀杏の4話。富田流小太刀の遣いて浅間三左衛門は、十分一屋(仲人業)のおまつはの「ひも」として気楽な浪人暮らしをしながら、係わる人たちの相談事に人情小太刀を振います。久留米藩の田川頼母が、上司の勘定奉行の不正を訴えたが。訴えた田川は、藩を追われ大道芸人となる。その田川が、無残な姿で発見され。三左衛門は…。三左衛門の小太刀が冴え、勧善懲悪で、スピード感が有り、人情味が有り、そして笑いも用意されています。2020/09/22
とし
66
新装版:照れ降れ長屋風聞帖「子授け銀杏」6巻。三左衛門さん、あっちこっち大変ですが、次巻は祝から始まるのか楽しみですね。2022/06/07
アニータ
2
このシリーズ、最初に浅間三左衛門が登場したとき、なんて情けない主人公だろうかと思ったものですが、まあ、情けないところはあるのですが、今ではすっかりその魅力に取りつかれてしまいました。悲しい話もありましたが、表題作の「子授け銀杏」では、おまつに三左衛門の子が宿ったことがわかります。おまつと三左衛門、いい取り合わせです。2022/06/13