出版社内容情報
ついに三河を統一した家康。「松平」から「徳川」へ姓も改めた。今川領、遠江侵攻を皮切りに、朝井・浅倉攻め(金ケ崎の退き口、姉川の戦い)、浜松城築城と、家康、勇躍の時。がんばれ茂兵衛、出世のチャンスだぞ! 戦国足軽出世物語、シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
311
一作目では有名どころの武将がほとんど登場せず、まさに、足軽視点の戦模様に終始していた感があった。それが良いか悪いかは置いておいて、私個人の感想としては、徳川家に仕えることとなり、メジャー級の武将がレギュラー出演してくることによって、物語に華が添えられたように思えた。主人公補正によって、茂兵衛と本田平八郎の距離感が近すぎることに、若干の違和感はあるものの、それを言い出してはストーリーが展開しないので、ご愛嬌としておく。綾乃との関係が果たして今後も描かれるのか、そして十年後の約束や如何に?と、引きもバッチリ。2022/07/26
みっちゃん
160
ここまで応援したくなる主人公ってのも、なかなかいない。始まりは村中の嫌われものだったのが嘘みたいだ。一瞬先は死、ジ・エンドかもしれない戦場で、周りの状況を瞬時に見極めて、決断したらもう迷わない、大胆に行動する。それは日々の鍛練あってこそ。何より好きなのは、岐路に立たされた時は損得じゃなくて、ひととして為すべき事を為す、その正義感。さあ!期限は切られたよ!10年後には千石取りになってなきゃ。父親の形見の槍があんたを守ってくれるから。だがね、このシリーズ読んでると無駄に「たァけ!」って言いたくなって困るだら。2022/09/09
ねこ
154
三河雑兵心得の2巻。主人公の茂兵衛が農民から出世していく物語。現在のインドのカースト制度のように自分の職業はなかなか自由に変えられない時代。今のカーストはプログラミングなどITスキルで抜けられるようです。茂兵衛は荒くれ者ではあるが賢く人情熱い。そして手下2人(弟の丑松と辰蔵)のそれぞれの才覚にも恵まれ今回は足軽旗指から徒侍へと昇格し念願の武士になる。手下も10名だ。戦国時代の戦で兜武者が旗を持つ意味を今まで理解していませんでした。危険を承知で敵味方に姓名と居場所を知らせ戦う戦国武者は剛毅であったのですね。2022/09/06
chiru
129
足軽シリーズ第2弾⚔家康の元で見事、足軽に出世した茂兵衛。戦国期の足軽の身分としては飛び級テストに一発で合格するほどの幸運だがね!足軽の任務と役割よりも人間の強さと弱さの両方を味方につけた茂兵衛。武田という大企業の圧力に屈せず、取引を互角に進めるやり手の家康。九死に一生の戦いから生き残った足軽たちは、どんな気持ちを抱いて歴史に巻き込まれていくのだろう? 三河を統一した家康の快進撃だけど、まだまだ多難。ところで、馬鹿にされ続けた丑松の成長が嬉しいら。頑張れ茂兵衛、今がチャンスだ!出世街道を走り抜けてみりん!2022/06/25
のり
115
「茂兵衛」の頭はなんと「本多平八郎忠勝」。猛将の旗指足軽として奮闘する事になった。気性は荒いが二人の相性はとても良い。武田の脅威と織田からの要請で休む暇もないし、重傷を負い、死の間も体験した。この時代、幾ら強かろうが死なない事が奇跡としか言いようがない。恋話まで出てきた茂兵衛。この先の出世街道も楽しみである。2023/03/02