出版社内容情報
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自分の不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!? 気鋭が描く傑作時代小説!
内容説明
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学教育学部卒業。2008年に「素見(ひやかし)」で第2回小説宝石新人賞を受賞。10年、若き町医者の成長を描いた長編「刀圭」でデビュー。18年、「着物始末暦」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
61
『ひやかし』が良かったのでこちらを。天保の時代、親と死に別れた武士の子である結は、ご法度の女髪結の弟子として拾われた。厳しい時代に必死に生きる女たち。そんな女の味方である女髪結の師匠と弟子。師匠のお夕さんの気風の良さはいいし、面白くなりそうな要素ばかりなのに、なんかいまいちでした。真面目で四角い性格の結。きちんと親に育てられた子なんだろうなと思うのですが、子供らしい正論にひやひや。お奉行の遠山様もうまく活きてなくて、ただ出したかっただけ?ちょっと残念。2021/12/19
万葉語り
55
昨今の自粛三昧が天保の世の民の暮らしと重なり、いつの世も最初に割を食うのは、毎日をまじめに生きている庶民なのだと思った。15歳の結ちゃんが両親を亡くし、奉公先を追い出されて首を括ろうとしたとき助けてくれたお夕さんに弟子入りして成長していく物語。みんな頑張れと温かい気持ちになった。2020-0872020/05/10
星群
33
初読み作家さん。お師匠さんで、髪結いの練習をする結ちゃんの姿が健気に見えて、この本を手に取る。「天保の改革」等、当時の時代背景が細かく書かれていて、悉く楽しみを禁止されたり、生活を制限された人々の生き辛さが、想像しやすくて読みやすかった。「恩は着るもので着せるものじゃない」このお師匠さんの一言に痺れた。2021/03/10
むつこ
32
顔に傷を持つ女髪結い師の弟子になるヒロイン・結は不器用でなかなか上達しない娘。出てくる女性はみんな気が強くて気持ちいいほどはっきりモノを言う。質素倹約の時代、まさか女の髪結いまで法度とは知らなかった。2020/02/28
moonlight
29
表紙の女の子のひたむきな表情に惹かれて手に取った。両親を亡くした浪人の娘お結が女髪結いのお夕に拾われ、弟子となる。世は天保の改革で過度な奢侈禁止令が敷かれ着飾ることはもちろん華美な櫛も禁止、女髪結いもご法度。経済も停滞し細やかな楽しみも奪われて萎縮していく一方。それでも髪は女の命、髪を整えることで自分の思いを主張し幸せになりたい女たちの踏ん張りが描かれる。結は師匠お夕をはじめ様々な女の生き様を見て人生を学んでいく。結が当時の15歳にしては短絡的で幼いような気がするが現代の中学生と思えばそんなものかな。2025/10/07




