出版社内容情報
宇津木新吾は牢屋医師を引き受けることになった。牢の掟や拷問、咎人への治療に疑問を抱きつつ働いていたが、押し込み強盗殺人の疑いの男が終始無実を訴えていたのが気になり調べてみると、ある企みにはめられ濡れ衣を着せられたようだ。新吾は男の潔白を証明することができるのか!? 好評シリーズ第十弾!
内容説明
松江藩のお抱え医師をやめた新吾は幻宗の勧めもあって、牢屋医師を務めることになった。その仕事は新吾の抱く理想の医療とはかけ離れたものだ。拷問を受ける者の施療もそのひとつだったが、一貫して無実を主張する男に新吾は注目する―。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第十弾!!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京都生まれ。データベース会社に勤務のかたわら執筆した「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞、『絆』で第41回日本推理作家協会賞長編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
87
蘭方医・宇津木新吾10作目 2019.10発行。字の大きさは…中。香保は、少ししか見なくなった、残念だ。香保と新吾は、祝言前は波乱に富んでいたが、祝言後だって新吾を支えて頑張っている姿を多く見たい。香保が質屋に、自分の持っている着物を入れてお金を作っている、大変だ(涙)。新吾 自分のやりたいことは自分で出来る環境を作ってからやれ(怒)。お抱え医師を辞めさせられた新吾は、今度は牢屋医師になる。牢屋の中で無実を訴える佐吉のために、人食いの紀三郎の助言に基づき探索を進める。 次回を楽しみにしています2019/11/10
Suzu
2
宇津木新吾シリーズ第10弾。牢屋医師になった新吾。牢内での殺人を病死とするのが役目。それにしても六郎は酷すぎるだろ。昭六も医者以前に人としてどうなの?紀三郎は確かに極悪人だが、縁もゆかりもない佐吉の無実を信じ、新吾をそして最後は奉行所も動かした。何だか切なくなって紀三郎はそんなに悪い人間じゃないような気がした。新吾はこのまま牢屋医師を続けるのか?松前藩に戻るのか?そして次巻に進む。2020/09/22
犀門
2
No.047★★★★★大好きなシリーズ。第9巻を読み飛ばしてるので松江藩の藩医を辞めた理由が定かではないが、次の牢屋医師に就いての面白い展開が待っていた。2020/03/30
goodchoice
1
今回もかなり人情物に仕上がっていて、楽しく読んだ。さすが小杉さん。2019/11/19
ふふふ
0
うーん。治療費を取らないことでいい気になっていたら、自分の妻が着物を質だしている。幻宋の金の疑問が再発したり、松江藩からまたもやお抱え医師の話が来たり。ある意味同じループを辿ってる。牢医師だけど暇なのか事件に頭を突っ込み、真人間にして罪を償えと自分の理想を死刑囚に押し付ける。幻宋もはっきり言わずに禅問答的だし、突っ込みなしに読めません。2025/02/17