出版社内容情報
海賊船は正紀らの活躍で退治したが、頭の鮫五郎は海中に身を投げた。四千俵もの米俵と高級昆布類は行方不明になった。同時に後ろ盾になっていた磯浜屋伝兵衛も、捕縛の手を逃れて水戸城下から姿を消した。この背後には、水戸藩御側用人友部久左衛門の存在が大きい。友部は手に入れた金を、府中藩の世子問題に利用し、勢力の拡大を図っている。府中藩領内の行方郡には、一揆の火種がのこっていた。
内容説明
海賊船は正紀らの活躍で退治したが、一味の幹部と悪徳商人は捕縛の手を逃れ、米俵四千俵とともに行方をくらましていた。賊の背後では大藩の黒幕が糸を引いている。黒幕は、ここで手に入れた金を、府中藩の世子問題に利用し、勢力の拡大を図っていた。さらには府中藩領内の行方郡三村では、再び一揆が起きようとしていた。待望のシリーズ第十弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から「第二の藤沢周平」と称賛される。時代物シリーズを始めとする著書多数。『おれは一万石』シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズ(小学館)で、第7回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
94
おれは一万石10作目 2019.08発行。字の大きさは…小。 この物語は、家付きの年上の妻・京と正紀の掛けあいを楽しみに読んでいます。 此度、京は正紀が江戸を離れて騒動の地・秋津河岸へ行くのに積極的です。それは府中藩(水戸徳川家 御連枝)の叔母・品の事を相当心配しているからです。 正紀は、今回 高岡藩の領地へ出向くのではなく、積極的に他領の府中藩の領地の騒動にかかわっていきます。 この先は、テレビの水戸黄門をやろうとしているのか? 次回を楽しみにしています。2019/10/11
kei302
38
最早、惰性で読み続けているシリーズ。読み続ける理由は3つ。①文字が大きくて読みやすい。これ大事。②年上の妻:京との会話や関係の変化(良い方へ)が興味深い。ご懐妊で、お腹をさすっている姿が微笑ましい。③その京の母:和の登場が増えてきて面白くなってきた。それと、何となく買ってしまう手ごろな価格。10作目、切りがいいのでこれでお別れしましょう。2019/09/20
はにこ
21
前作に続き、盗まれた米を探す。取り逃がした、海賊の頭、悪徳商人と黒幕。大川の殺人事件とも複雑に絡みあっていく。以前、力で一揆を抑えた府中藩はまたもや一揆。生きるか死ぬかの瀬戸際である農民達が、生々しくもリアルに描かれていたと思う。とうとう海賊と悪徳商人を仕留め、一揆も抑えた正紀。仮病の多さがむしろ笑えてしまうけど、今回も一件落着で良かった。2020/10/23
hiyu
9
前作からの流れがある。四千俵の米俵を捜索するとともに府中藩の世子問題が絡んでいく。落ち着くところに落ち着いていくが、当時の経済における米の二重三重の性格、位置づけを想像すると、市場経済をどう制御していたのか。その興味も尽きない。2019/09/22
ひさか
7
2019年8月双葉文庫刊。書下ろし。シリーズ10作目。前作の悪事を働いた者達の残りを成敗する。いつものことながら、読んでいると引き込まれてしまい、京の指摘にむっとする正紀に共感したり、最後の捕縛シーンで力が入ったりして、楽しみました。面白かったです。2020/06/28
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