出版社内容情報
ひっそりした裏小路で居酒屋を営む八雲兼四郎。寡黙ながら常連客に慕われるこの男には、愛した女とその一子をならず者に惨殺された辛い過去があった。運命の巡り合わせで一度捨てた剣を再び取り、悪を闇に葬る「浪人奉行」の影役目に生きる兼四郎。こたびも”仕事”を受けて賊成敗に乗り出すも、道すがら、父親を殺された幼子に出会う。その純粋な瞳はかつて救えなかった小吉の面影を宿していた。大反響シリーズ、堂々の第七弾!
内容説明
町方の手の届かぬ悪を闇に葬る“浪人奉行”を拝して二度目の初夏。八雲兼四郎は、鈴ヶ森近くで行き倒れ、栖岸院に身を寄せる幼子小太郎を見て愕然とした。かつて愛した女の一子、小吉に瓜二つだったのだ。献身的に世話する兼四郎や麹町で営む飯屋の常連客に可愛がられ、徐々に心を開く小太郎。やがて身元の手掛かりが届き、池上道へと向かう途中、小太郎の苛烈な過去が明らかになる―「おとう」は刺客だった!大反響シリーズ、堂々の第七弾!!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家などを経て、94年に作家デビュー。冒険小説、ハードボイルドを皮切りに、近年は時代小説に力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
72
浪人奉行「七ノ巻」 。行き倒れの子供(小太郎)を助けた兼四郎「いろは屋」連れ帰り世話をするが、手掛かりが見つかり送り届ける事に、道中兼四郎はかなり危険な目に遭うが・・・やはり最後は官兵衛、定次コンビに助けられ浪人奉行の役目全うする。読み応えありました。2019/12/08
やま
50
浪人奉行・八雲兼四郎の活躍の物語です。時は、第11代将軍徳川家斉(いえなり 在任1787年~1837年)の治世。将軍家斉を補佐する老中筆頭の松平定信は改革に乗りだすも、その効果ははかばかしくなく、江戸では食い詰めた百姓や窮民が続々と流入し、治安悪化を招く。旅の薬屋が、江戸は鈴ヶ森の獄門場のそばで倒れていた小太郎6才を連れて麹町の栖岸(せいがん)院に連れてきた。薬屋は、小太郎が「池上本願寺の日庚(にっこう)」と書いた紙を持っていたので知っている栖岸院に連れてきた。2024/08/29
ひさか
3
2019年7月双葉文庫刊。シリーズ7作目。書下ろし。6才の小太郎の面倒を見る兼四郎が面白かった。話の展開がいつもとは違い、ラストでは、悪の元締めを許せなくなり、天誅をくだすところも良かった。2020/08/09
犀門
1
No.132★★★★☆2019/09/30