出版社内容情報
米価は高値をつけたまま動かない。多大な犠牲を払った廻米は江戸市中にわずかしか出回っていない。多くの米はさらなる値上げを狙って隠匿される「囲米」となっていた……。好評シリーズ第八弾!
内容説明
血と汗を流して江戸への廻米を果たしたものの、米価高騰は続いている。その理由は廻米がさらなる値上げを狙って隠匿されてしまったからだ。この囲米をしているのが、こともあろうか、老中のひとりだとの疑いが濃くなった。廻米に尽力した家臣の死に報いるためにも、囲米は断じて許せない。一万石が老中に闘いを挑む!待望のシリーズ第八弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。時代物シリーズを始めとする著書多数。「おれは一万石」シリーズと、「長谷川平蔵人足寄場」シリーズ(小学館)で、第7回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
23
前作でやっとの思いで集めた廻米がどこかに囲われている。それを探している藩士の青山が拐われる。もう出てこないのかと思った房太郎が再び登場。高岡藩のピンチも作ったけど、危機を救うのに尽力したのも房太郎。藩内の揉め事が終わったと思ったら今度は政争。正紀に安息の時が無くて可哀想。京には今度こそ幸せになって欲しい。甘えるのが上手くなったね。2020/09/22
夜の女王
20
苦労して工面した廻米はどこへ?各大名が供出した米が市中に出回らない。米価はますます高騰。正紀たちは幕府の命に逆らい、米を隠し持っていそうな怪しい商家を探る。そこから、老中にまで繋がる影が見え隠れするのだが・・・。定番のエンタメだが、このコロナ禍のご時世だけに、マスクや粉物の品不足に付け込む輩を連想した。時代は変われど、人間のやることは変わらないと思わせる話だった。今の時代にも正紀のような正義感が欲しいもんだ。2020/05/05
hiyu
9
前作からの流れになるのだろう。どことなく暗く、固いイメージがしたのは気のせいか。京のいつもの姿もあまり見えなかったこともちょっとだけ残念。少しずつ対立構造が明らかになっているようだが、よりシビアな現実を突きつけられた時、正紀はどういう振る舞い方をするのか、多分あると思うが次作以降で見ていきたい。2019/04/27
高橋 (犬塚)裕道
8
星3.5。ま、あり得ない様な話だがだから面白い!今回も楽しませてもらいました。2023/12/03
山嵐電撃吹雪拳
7
少し出来すぎの感があるが、なんとか藩のピンチを切り抜けた形となった。ただ、松平定信、信明のコンビがいつ高岡藩の敵になるのかわからない感が残っていて、今後の展開が楽しみでもある。2021/01/26