出版社内容情報
菩提寺改築を好機ととらえ、正紀と正広の失脚を図る建部と正棠は、執拗に第二、第三の罠を仕掛けてきた! 思いもかけない策謀にはまり、窮地に陥る二人。はたして建部らの悪巧みを斥け、無事改築をなし遂げられるのか!? 二か月連続刊行・シリーズ第五弾!
千野隆司[チノ タカシ]
著・文・その他
内容説明
浄心寺改築で己の懐を肥やし、なおかつ正紀、正広を世子の座から追い落とそうと、正棠一派が悪巧みを進めていた。正棠一派は、権力を笠に着た道理の通らぬ要求を斥けられると、今度は実力行使に出たのだった。正紀らは正棠一派の刺客を迎え撃つ。ぶつかる刃と刃!正紀らは無事に浄心寺改築をなし遂げられるのか!?待望のシリーズ第五弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞し、選考委員から「第二の藤沢周平」と称賛される。時代物シリーズを始めとする著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キャプテン
43
★★★★☆_「おれはサラリー万石フェア(給料が1万円でも下がればバイトに格下げ!)」第三弾。崖っぷち一万石大名、井上正紀シリーズ(5作目)。吹けば飛ぶ弱小藩の戦いは、はたから見ればチンケなものかもしれない(無茶振りと戦う)。けれどもだからこそ、大多数のサラリーマンが共感できる(トップダウンのくそったれ)。人の数だけ、戦いの形がある。戦いの大きさは重要ではない。大切なことは戦うことができたのかということ。ペコペコ頭を下げることだって、戦いだ。愛想笑いだって、戦いだ。尻に敷かれることだって。毎日、戦いなんだ。2019/01/09
ベルるるる
27
何かを運んで、藩の窮地を救おうとする。・・・その荷物を襲われ、命を賭けて荷を守る・・・というのが続いているね。2018/08/15
夜の女王
26
正紀、正広たちを敵視する下妻井上家の正棠や本家家老の建部ら。本堂改築の普請奉行を解任させることに失敗すると、材木の入札に裏から手を回したり、最後は実力行使に!ラストは若殿自ら刀を取っての切ったはった。ここだけはいかにも時代劇!読者サービスなのか、作者の好みなのか?けど、主人公は体より頭を使って欲しいよな~(笑)子供を流産して殻に閉じこもっていた京が、正紀のために行動し心を癒していく・・・夫婦の心が一つになっていくシーンは良かった。雨降って地固まる。更に、正棠は隠居(史実)、建部は切腹。今回はメデタシ!2018/10/30
はにこ
24
前作で資金集めに奔走したが、今回はその寺の普請。山野辺が追っていた材木業界の勢力争いとクロスしてくる。正広と正紀を何としても蹴落としたい人々がまぁしつこかった。今回はお金の問題が無かったので家財を売らなくて済んだ。京もいつも通りの姉さん女房ぶりに戻って一安心。また赤ちゃんがやってきますように。2020/09/02
のん
17
シリーズ5作目。今回も正紀と正弘を排除しようと、そして商人達と組んで不正な利益を得ようと、井上家一門の菩提寺改築で正裳と建部は行動をおこす。 新しい登場人物、そして京との関係の変化。 面白かったです。2018/08/28