内容説明
長崎で蘭方医学を学び江戸に戻ってきた宇津木新吾は、師に託された手紙を携え、町医者・村松幻宗の施療院を訪れた。幻宗は、患者から薬代をとらないという。その真摯な姿勢と、見事な施術を目の当たりにした新吾はしだいに幻宗へと傾倒していくが、一方で施療院を支える資金についての疑問も膨らんでいくのだった…。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第一弾!!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京都生まれ。データベース会社に勤務のかたわら執筆した「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞、『絆』で第41回日本推理作家協会賞長篇賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
133
蘭方医・宇津木新吾「誤診」1巻。長崎で蘭方医学を学び江戸の養父母の元へ帰ったきた宇津木新吾さん、町医者、村松幻宗を訪ねた事から物語は始まるが、見習い医師としてではなく同心の様な活躍を?又何事にも自分の意思を伝えきれない性格なのか、少しまどろっこしい感あり「独り身同心」の井原伊十郎のような、次巻を期待かな。2015/03/22
やま
99
蘭方医・宇津木新吾1作目 2014.12発行。字の大きさは、中。長崎で蘭学を修めた医師・宇津木新吾は、江戸へ帰りつくと医師・村松幻宗を尋ねます。幻宗は、患者の貧富や貴賤を考えず、患者から金を取らずに治療を行っている、では施療院を維持するお金はどこから出て来るのか。 義父・順庵は、お目見医師を目指して表御番医師・上島漠泉の娘・香保と新吾を結婚させようとしている。 香保との恋はどうなるか。 次回以降が楽しみです。2019/09/24
ちゃんみー
48
誤診といつタイトルは医者としてのものだけを言っているわけでなく、生きていく上での事なんですね。まだ医術が確立されていない時代にも自分が目指すものを定めて人々のために尽力しようとした人たちがいたんだろうと思います。これはシリーズ化されそうですね。新吾は香保と所帯を持つな、きっと。その辺りも今後楽しみです。2015/02/17
ベルるるる
32
宇津木新吾という長崎帰りの駆け出し医者が主人公。若者らしく正義感に燃えて、貴賤、貧富に惑わされずに医師という仕事に突き進もうとしている。これは、若者の成長物語なのかな。シーボルトや間宮林蔵が登場するから、時代は大きく動いている、そんな中を若者がどう生き抜いて、信念を貫いていくのか、ちょっと楽しみ。香保さんのこれからの生き方も楽しみ。2017/09/15
あっちゃん
25
想像していたのと違うキャラにちょっと戸惑う(笑)若さなのかとも思ったけど香保はシッカリしてるからコレは性格か、タイトルは蘭方医だけどシリーズ一冊目のこの巻では医者ではなく探偵だったわ( ̄ー ̄)2024/06/03