内容説明
江戸日本橋で御茶漬屋「夢見鳥」を営む女主人・お蝶。道理の通らないことには声を上げ(時には手も上げ)、困っている者には助けを惜しまない。旨い茶漬や料理が評判の店を切り盛りしながら、おせっかいもいつのまにか生業に。周りの者たちは「こらしめ屋お蝶」と呼んで慕っている。そんなお蝶の亭主・伊三郎は「御役目」とだけ言い残し、一年前に姿を消した。時々届く花だけが無事の知らせ。いとしい人の帰りを待ちわびながら、今日もお蝶は世話焼きに駆けまわる―。
著者等紹介
浮穴みみ[ウキアナミミ]
1968年北海道生まれ。千葉大学仏文科卒。2008年「寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬」で第30回小説推理新人賞受賞。受賞作を収録した『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の草』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いちご抹茶
11
話のストーリーがすべて先に解る読み本。懲らしめお蝶さん、曇りの日があっても心にお日さまをもって生活をしているのだと思えます。続きがあると読みたいです。2014/05/04
まみ〜
8
アンソロジー『なぞとき』で読んで面白かったので本編を読んでみようかと?5作収録の、連作短編集?元深川芸者のお蝶は、惚れた男・伊三郎とともに茶漬け屋を開こうとした矢先、伊三郎が突如として姿を消した?どうやらワケありの役目があるようで…?仕方なく一人で茶漬け屋を切り盛りするお蝶だが、持ち前のお節介気質で、常連客や近所の人の相談に乗り、時にはきついお灸を据えることも?ついたあだ名が「こらしめ屋」? うん、面白い?✨そしてちょいちょい泣かされました?これは続編出るといいなぁ?2018/07/21
カバン
7
婚約者を待ちながら茶漬け屋を守るお蝶さん。厳しいけど優しい人柄が、読んでいてほっこりさせてくれます。シリーズになってほしいです。2015/05/23
ふぅ
5
なぞとき時代小説傑作選で知ったお蝶、こらしめ屋と言っても人情にあつく、恋のキューピットでもある。他の登場人物もみんな良い人ばかり、私は沙鴎さんいいなぁ。とても面白いのにもう終わりなのかな?他のみなさんもレビューにあるように、続編が出たらいいのに。2019/04/08
ふみえ
3
テンポが良くて読みやすかった。「御役目」で居なくなってしまった婚約者の伊三郎さんは死んでいるのかと思った。お蝶さんを取り巻く人々も普通で○。ちょっとした会話が小気味良い。続編は出ないのか?2014/02/25