内容説明
八丁堀北島町の同心組屋敷街に、一人の幼い子供が白縫半兵衛を頼って迷い込んできた。良吉と名乗るその子供の体に無数の青痣を見つけた半兵衛は、半次や房吉らとともに良吉の母親おりんを捜しはじめるが、誰かを庇っているのか、良吉は何も話そうとはせず…。“知らぬ顔の半兵衛”の粋な人情裁きを描く人気シリーズ第十九弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年、北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」で脚本家デビュー。以後、刑事ドラマ、時代劇を中心に400本以上の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソババッケ
11
シリーズ19作目。例によって4つの連作。表紙は「忘れ雪」の一場面か、我が子に虐待を受けながらも若いヒモにすがる憐れな女。「仁徳者」では船宿「笹船」の説明、おまきの親父さんが40年程前に始め、おまきは10歳過ぎだったと。そのおまさは帳場をすっかりお糸に任せるようになっている。「無法者」で見せたお糸の大立ち回りに期待したいところだが、そろそろ婿の話も・・。秋山家ではまだ大助は生まれていない時期のようで、新シリーズではどうなっているのやら。それにしても半兵衛の縁者が全く登場しないのはなぜなのかなー・・。★3.32017/07/25
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
短編4つ。同心半兵衛がどんな「知らんふり」をするのかが楽しみなシリーズで、丁寧な解説も付いていたのには笑える。熱り立つ旗本家の家臣達や血迷った旗本当主を相手にしたときはまるで秋山久蔵のようだったが、さすが半兵衛、しゃべり方はあくまで丁寧ですな。2013/07/24
あかんべ
3
今回は久蔵とのコラボはなく残念。新しい男のせいで子がひどいめに会う「忘れ雪」では房吉が、自分の経験とないまぜになり激しく男に立ち向かうのが、かなしいかった。2013/03/04
沼田のに
2
女好きはこのシリーズでは性悪でごうつくで、ろくな末路にならないが、俺みたいにお人よしの女好きもいるので、そこのところの按配をうまくやってもらいたいと思うがシリーズラス前ではいかんともしがたい。しかし半兵衛側の人たちは何をして金を稼いでるのかねえ。裏でよっぽど悪いことしないとこんなに世間にいい事ばっかりしては生きていけないと思うがラス前か。5/102014/09/20
goodchoice
2
いずれの短編にも半兵衛の暖かさが感じられ、読んでいて本当に心地良く感じます。やはり藤井邦夫節は素晴らしい!2013/02/28