内容説明
天名の鬼六に拾われた神原采女正は、精気を失ったまま瀬戸内の小島に匿われていた。一方江戸では、新藩主樺島直高の気性を案じる御前の意を受けた田宮伴内が、筧忠兵衛に直高の剣術の稽古相手を依頼してくる。南波屋を隠れ蓑にする鬼六の暗躍、日向国室藩の密謀―忠兵衛の周囲に燻る火種に加え、旧藩主派が動き出す。書き下ろし長編時代小説、熱望の第七弾。
著者等紹介
芝村凉也[シバムラリョウヤ]
1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。二十数年のサラリーマン生活を経て著述活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
75
返り忠兵衛江戸見聞「無月潜む」7巻。忠兵衛、浅井、神原三者、別々に話が進んでいくようで・・・次巻何処かで繋がるのかなと期待します。2022/06/04
tengen
36
室藩藩主久武は何故か執拗に定海藩の転覆を図ろうとする。定海藩江戸屋敷では若殿直高に覇気が無いことを憂う後見役隆胤らが忠兵衛に若殿の剣術指南を申し付ける。同心岸井は先の事件の真相究明のため尚も南波屋と洲崎屋を探索する。出奔した元御側御用取次の神原は南波屋喜六(天名の鬼六)に拾われ瀬戸沖のとある小島にかくまわれ廃人同様に暮らしていた。金の尽きた放浪の浅井は剣術で路銀を稼ぐ羽目になる。神原の家士であった内藤が動き、定海藩と江戸屋敷で守旧派の前藩主奪還と隆胤暗殺の陰謀が!いくつもの展開が少しずつ進み始める。2017/12/07
カバン
5
定海藩のいざこざにまだ巻き込まれている忠兵衛。神原や浅井の動向など、これからどうなるのでしょうか。2015/01/11
sken
5
このシリーズは結構お気に入りです。藩内の権力闘争から半ば強制的の逃されて江戸に出てきた主人公が、持ち前の一本気と剣の力でいつの間にか周りの人の協力を得て活躍するってな話なんですが、主人公と周りを取り巻く人物の造形が非常に良くできており、さらに敵役も一筋縄ではいかない曲者揃いでワクワクするっす。早く続きが読みたいっす。あ”……もう出てるか。2013/02/06
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
シリーズ第7弾。決着の付け方が甘かった旧藩に絡む話なんだが、よその藩主や悪党商人が手を出してくる理由が今ひとつ呑み込めないなぁ。藩騒動から離れて「第二部」とはならず、逆に目いっぱい話を広げているという感じ。どうなることやら...2012/12/08