内容説明
天文二年(一五三三年)、若き石堂一徹は、中信濃の豪将・村上義清に仕えていた。秀でた武芸と並外れた戦術で、家中で台頭していく一徹。それに伴い、村上家は中信濃での勢力を盤石なものとしていった。朝日という素晴らしい伴侶を得た一徹は、愛娘にも恵まれ、すべてが順風満帆に見えたが…。
著者等紹介
北沢秋[キタザワシュウ]
東京大学工学部卒業。会社員生活を経て、執筆活動に専念する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
71
乱世の中信濃、村上義清に仕える石堂家の次男、石堂一徹。『哄う合戦屋』の前日譚である。一徹が知勇をめぐらす合戦の描写はもとより、心踊らせるヒーロー、ヒロイン、心酔する熱い郎党たちに、彩る女たち。造形のベタさに見事に取っ捕まる。文武に秀でた上司にしたいナンバー1、なおかつスパダリ、親バカ子煩悩。架空設定ならではの大胆さでハートを鷲掴みにする著者。望むところである、、、と、ここまで書いて、下巻の展開を想像して背筋が凍る。やだー、もう泣きたい。2019/01/18
yu
62
上巻読了。 哄う合戦屋を先に読んでいるからなのか、平和なまま終わった上巻で終わりたい気分。 朝日と青葉の今後がね。。。 それにしても、一徹さんは完璧な男ですな。こんなヤツいねぇよ!って突っ込みたくなるぐらい全てがそろいすぎている感が否めない。だからこそ、それを面白く思わない輩が出てくるとは思うのだが。。。 下巻が怖い・・・。2013/09/13
財布にジャック
60
正直前作のことを思い出すと、このほのぼのとした雰囲気に、ちょっと違和感を感じました。しかし、若き日の石堂一徹は、かなり好感度の高い素敵な人物として描かれていて、この巻だけ読むぶんには、いい気分です。読みやすく親しみやすい戦国物としての位置付けは健在で、下巻も楽しみです。2012/06/25
ねむねむあくび♪
55
図書館の本。『笑う合戦屋』の前の設定なので、哀しい結末は分かっているけれど…。幸せな暮らしが切ない…(´д`|||)下巻へ!!2015/08/26
アイゼナハ@灯れ松明の火
48
『哄う合戦屋』の天才軍略家、石堂一徹若かりし頃の物語。北信の雄、村上義清家中の侍大将だったという設定なのね。当時の城攻めや野戦の様子、譜代と新参の軋轢のある大名家中の様子などが丁寧に、らしく描かれていて好感度高いです。上巻では『奔る』どころか順風満帆。よき妻、よき家族、よき郎党に恵まれ、石堂の家運も騰がる一方…に見えるだけに、これから襲い来る悲運がいかばかりのものかと胸が痛みます。このまま下巻へ。2012/03/20
-
- 和書
- もの食う本 ちくま文庫
-
- 和書
- 非日常を生み出す文化装置