出版社内容情報
傷の癒えた与茂平とともに暮らしはじめた忠兵衛。一方で芸者の勝弥に定海藩の魔手が迫り、浅井蔵人と神原采女正との闘いは激しさを増す。得体の知れない商人の出現で、忠兵衛に新たな危機が。大反響の書き下ろし長編時代小説第四弾。
内容説明
藩改革派の「御前」と紗智、蔵宿師の浅井蔵人とも訣別し、一抹の寂しさを感じながら日々を過ごす忠兵衛に、定海藩主樺島直篤の命を受けた刺客が襲いかかる。一方、自らの野望を封じられた浅井は、藩主御側御用取次の神原采女正を相手に熾烈な闘いを仕掛けていく。定海藩の周囲が大きく動き始めるなか、紗智と芸者の勝弥の間に不思議な絆が生まれた。書き下ろし長編時代小説、話題沸騰の第四弾。
著者等紹介
芝村凉也[シバムラリョウヤ]
1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。二十数年のサラリーマン生活を経て著述活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
74
返り忠兵衛江戸見聞「風花躍る」4巻。忠兵衛さんの周りに様々な人物が登場してきますね、御側御用取次神原采女正、御家人浅井蔵人紗智、勝弥、浪速商人薬種問屋の南波屋朝太朗等、ちょっと忠兵衛さんの影が薄い感じでしたよ。 2022/04/21
やま
63
総合武術の遠州立見流を遣う筧忠兵衛の活躍の物語です。四万石たらずの遠州定海(さだうみ)藩主・樺島直篤(なおあつ)から鬼謀の主君御側御用取次・神原采女正は、藩転覆をはかった首謀者として忠兵衛を殺すように命られるが。下屋敷に誘い込み殺す寸前で、江戸の町火消と魚河岸の者達数百人に屋敷を取り囲まれ威圧され忠兵衛を取り逃がす。→2022/11/11
だいしょう@SR推進委員会
13
こいつは骨太な話になってきました。少々まわりくどさはあるものの、不気味な嫌らしい悪徳商人の登場や、神原の冷徹さ、藩主の愚かさなど、仕込みがふんだんに盛り込まれています。次にこの仕込みをどこまで生かすことができるのか。筆力が落ちず、話の作りもしっかりしてきた作家さんなので、これは期待できそう。それにしても、南波屋のなんと気味の悪いことか。こいつの仕掛けもけっこう根が深そうで、ちっと怖いです。2012/04/01
ひかつば@呑ん読会堪能中
11
藩から追われる真っ正直な若者、忠兵衛の第4弾。悪役として冴えわたる御側御用取次と御家人浅井の悪の駆け引きが、どちらも相手が切れ者であることを認めているだけに面白い。関西から謎めいた新たな悪役も登場したが、大物が忠兵衛の味方に付いたようで、今後どう展開するんだろ? 今回は人物描写がチト多かったなぁ。2012/11/26
あかんべ
11
前半、いままでのいきさつや、人物説明が多かったせいかもたもたしていたが、忠兵衛が動き出すとスピードアップ。悪役の神原と南波屋の悪っぷりがいい。神原の義倉に対する考え方などは、あの時代まねしようにもまねできない藩の事情を代表するような考え方だったんだなと思う。遠州にある藩ということで、農民が遠州弁を使っているのも、地元であるだけにうれしかった。しかし武士は武士言葉。薩摩の武士が出てくる話では武士も薩摩弁?方言が多いと説明書が多くなり読みづらくなるが、実際は武士も方言だったのでは?2012/05/31
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