出版社内容情報
廻船問屋などと結びつき、賄賂、暗殺などで御書院御番頭になった秋月盛安を調べていた、菅井紋太夫の義妹の夫・荒船幾三郎がはぐれ長屋を訪ねてきた。探索の手助けを頼みに来たのだ。華町源九郎や紋太夫などが調べ始めると、幕閣の秋月は三人の刺客を抱えていて、その頭株の浪人は、霞颪という秘剣を遣うらしい。
内容説明
大川端で刺客に襲われていた幕府の御目付を助けた華町源九郎と菅井紋太夫は、刺客を探し出し討ち取って欲しいと依頼される。そんな折、廻船問屋の番頭が何者かに斬殺される。二つの事件は関係があるらしい。しかも刺客の背後には、幕府の要人が潜んでいることが判明する。大好評シリーズ第十九弾。
著者等紹介
鳥羽亮[トバリョウ]
1946年、埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業。1990年、『剣の道殺人事件』で第36回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。剣豪・人情時代小説で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひかつば@呑ん読会堪能中
6
いやぁ強敵、実に恐ろしい相手だったなぁ。徒目付の嫡男との連携で何とか乗り切ったが、今回は読んでいて怖かった。が、珍しく源九郎がお吟にデレデレするシーンがあって救われた気がする。2012/10/31
史
3
欲望を太らせ不当に誰かを貶めし出世を企む悪徳を、長屋の民は因果応報す。2022/01/14
ハルナ
3
霞颪なる秘剣を使う強敵にどう立ち向かっていくか?どんなに強い相手でも悪人は最後に必ず討ち取られるのがお約束、だからある意味安心して読める。それでも斬り合いのシーンではハラハラさせられるんですよね。2011/01/17
toshi
2
はぐれ長屋の用心棒シリーズの19巻。 今回の相手は悪徳商人の越野屋と悪役人の秋月。 ストーリは毎回おなじみの勧善懲悪(とはちょっと違うか・・)。 とは言え、巧みな展開で読んでいて飽きることは無い。2013/04/28
ソババッケ
2
シリーズ19作目。孫も新太郎7つ、八重3つと着実に年を重ねている。物語は幕閣の重要人物を内偵していた目付を、逆に刺客を放って抹殺しようとしたところから始まる。刺客の中で、頭目と目される男の使う剣は霞颪(かすみおろし)という。源九郎が珍しく一対一で立ち会って勝てないと思った相手。浅手ではあったものの源九郎は肩口に傷を負う。相手の太刀筋が見えず、しかも早い。このシリーズでは珍しく、相手との刀争を想定し、シュミレーションまで行うことに・・・。孫に、「爺さま」、「爺ちゃま」と歓迎されるのもいつまでかな。★3.22013/01/03