内容説明
「かりに予が将軍となれば、あくまで予は予の姿勢を貫き通すであろうぞ。さすれば守護大名や宿老たちが、予を将軍へ推したことを後悔するであろう」―そう言い、くじ引きで将軍になった室町幕府六代将軍・義教。のちに「万人恐怖」と言われ、苛烈なまでの政治を行ったその真意とは。黒衣の宰相・三宝院満済と、義教の走衆・市三郎が見つめる真の姿とは。小説推理新人賞受賞作家が描く長編歴史小説。
著者等紹介
岡田秀文[オカダヒデフミ]
1963年東京生まれ。明治大学農学部卒業。99年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞。2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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とん大西
127
「歴代征夷大将軍総選挙」みたいなTV企画もありますが…。そんなランキングに1ミリも出ないであろう室町6代目将軍足利義教。マイナー故、ややもすると暗愚の印象が先行する。籤引きで将軍になって最後は暗殺という将軍らしからぬ境涯。そりゃあ負の印象です。だが果たしてその政治手腕、矜持は如何に?歴史のエアポケットとなる応仁の乱の前の前。英傑の片鱗をみせ、苛烈な親政で政権強化に没頭する義教。早過ぎたカリスマは狂気を助長させる…。良くも悪くもこの将軍が歴史に果たした役割は大きい。ミステリー仕立ても効いてて面白かったです。2021/03/13
Bibliobibuli
34
面白かったです。戦国時代以前の室町時代も勢力争いが絶えなかったのがわかりました。またそれを一人でまとめあげようとした足利義教のすごさが伝わって来ました。幼少期から最期まで、その生き様は、織田信長のそれに似ており、重なってしまいました。この後、どのような過程を経て応仁の乱まで至るのか興味があり、次の本を探したいと思います。2017/12/09
つみれ
27
おもしろい。主人公は専制政治を行い、最期は暗殺されてしまう室町のくじ引き将軍足利義教。この情報だけをすくい取るとなんと愚かな将軍かと思ってしまうが、これなどは教科書的な歴史記述の舌足らずさを示す好例であろう。義教の合理的な思考法や赤松満祐とのやり取りは、確かに信長の政治感覚、光秀との関係性を彷彿させる。次にやってくる戦国時代の人気がありすぎ、その影に隠れてしまいがちな時代だが、おもしろい素材はいくらでもあるものだと嬉しくなった。私のなかで記号でしかなかった赤松満祐が、人間赤松満祐に変化したのが一番の収穫。2017/02/28
onasu
26
室町幕府6代将軍義教と言えば、くじ引きで将軍位に就き、専制政治の末暗殺という用語知識しかなかったが、その間十数年とは…。 義満の死後、守護大名の合議制で執り行われていた政を、将軍親政に仕立て直そうとする。最初は守護大名の力を借りて政を行うが、一方では直轄のお傍衆を増強しつつ、わずかの間に鎌倉公方までをも屈服せしめ、政権内でも専制政治を敷いていった結果…。 平和とは、いつの時代も絶対的な権力の元でしか築かれえないものなのか。先代より仕える僧満済の案内で、未読の時代を楽しめたと共に、そんな感慨も抱いた。2016/01/29
黒猫
23
とても面白い作品。室町幕府第6第将軍「足利義教」を描いた歴史作品。父親に金閣寺を建立した義満を抱え、直系の足利家にありながら、義満に忌み嫌われて、兄の鶴若丸(後の義嗣)と比べられた春寅と呼ばれていた幼き屈折した日々。魔童子と言われた知略を持ちながらも、運命は彼を僧門へ入れさせる。そして、20年の時を経て春寅は天台座主から歴史の表舞台へ引き出された。くじ引きによって。。魔将軍の誕生であった。彼は10年で九州、関東を平定し室町幕府を盤石にするが・・・。もっと光を当てて欲しい。この魅力溢れる、足利義教に。良作!2017/12/18
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