出版社内容情報
児童養護施設で暮らす高校生のななみ。「馬鹿にされちゃいけない」という祖母の言葉を胸に、医学部進学を目指し受験勉強に励む日々。ダンス部最後の発表会、初めての彼氏、進学費用のための懸命なアルバイトなど、高校生活を色濃く過ごすなか、ななみが自分の意志で選んだ道とは――。新たな世界へと踏み出す少女の心許なさを掬いとりながら、その前途を温かく照らす感動長編。
内容説明
児童養護施設で暮らす高校生のななみ。「馬鹿にされちゃアいけない」という祖母の言葉を胸に、医学部進学を目指し受験勉強に励む日々を送る。ダンス部最後の発表会、初めての彼氏、進学費用のための懸命なアルバイトなど、高校生活を色濃く過ごすなか、ななみが自分の意志で選びとった道とは―。新たな世界へと踏み出す少女の心許なさを掬いとりながら、その前途を温かく照らす感動長編。
著者等紹介
朝比奈あすか[アサヒナアスカ]
1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、第49回群像新人文学賞受賞作『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
23
ななみには家族がいない。児童福祉施設<寮>で暮らす高校一年生だ。ダンス部に3人の親友がいる。だが、彼女は寮で暮らしていることを、親友のひとり・みえきょんにしか話せていない。色々なことを考える。寮で働く人々、小学生たち、将来のこと。最も不安なのは、18歳までしか寮にいられないことだ。この世界で生きていけるのだろうか?それでも、小学生たちの面倒を見て、くじけず、やけにもならず、大学を目指すななみの前向きな姿がいじらしい。親友たちにもそれぞれのストーリーがある。涙が出るほどがんばり屋のななみの幸せを祈る。2025/07/11
雪だるま
12
児童養護施設で暮らす高校生にななみ。学校では仲の良い友達にも寮(施設)で暮らしているとは言えず、高校生活を楽しみながらも複雑な思いを抱えている。ななみだけでなく施設で暮らす他の子たちもそれぞれ悩みがあったりや辛い思いをしていたり、周りからの心無い言葉に傷ついたり。「子供は大人次第」本当にそうだと思う。私もいい大人になりたいと(いい年ですが)思いました。中高生にもですが、多くの大人に読んで欲しい本です。2025/11/12
なんてひだ
7
読んで良かった 、しっかりと調べていて問題が起こってどういう風に考えて対応するのか知る事が出来たし 自分の中に残りました。4人の子供達が学園祭に来て冷たい態度をとったのが切ない、それを後日言葉にしてる、税金泥棒発言もちゃんと答えを川上さんに貰えてクソ人間だと、自分は解決せずにナアナアで終わらせてモヤモヤを引きずる生き方していたので尊敬してしまう、あとおばあちゃんの馬鹿にされない負けちゃいけない言葉の重さがわかって 努力忍耐根性で生きてきた世代の自分の恐ろしさね、やっぱ大人次第で子供はどうにでもなれるって思2025/08/02
バーニング
5
朝比奈あすかは思春期の子ども(特に10代の少女)の複雑な感情や繊細な人間関係を長く書き続けいる作家だと思うが、その集大成とも言える一冊だと思った。コロナ禍に突入する直前に施設取材を複数敢行していること、また挙げられている参考文献の豊富さを見ても、「児童擁護施設で生活する中高生」のリアルな日常を、可能な限り肯定的に書きたいという熱量が伝わってくる。未成熟な彼ら彼女らを「監督」する施設職員の大人たちもそれぞれに不完全な部分があり、対立することこあれば和解することもある。そうした関係性の描き方も優れた一冊。2025/11/03
のりさん
4
児童養護施設暮らしという事に負い目を感じつつも、施設の仲間たちを大切に思う感情。そんな矛盾したような感情たちが渦巻いてななみの心を掻き乱す。それでも自分で考えて、選んで一歩ずつ前に進んでいくななみの姿に感動を覚える。「いい大人になりたい」素晴らしい決意だと思う。2025/10/15




