出版社内容情報
老人ホームで介護士として働く稲夏陽。理想を抱いて就いたはずの介護職だったが、勤務10年目を前に、現実とのギャップに心を折られそうになっていた。そんなとき、元担当入居者からの手紙をきかっけに、終末医療や看取りの介護を余儀なくされた患者たちの最期の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。夏陽は理想の「看送り」を探して成長しながら、介護士としての自分を取り戻していく。自分らしく生きて、死ぬこととは――。心を揺さぶる感動のヒューマンドラマ!
内容説明
老人ホームで介護士として働く稲夏陽。理想を抱いて就いたはずの介護職だったが、勤務十年目にして、現実とのギャップに心が折れそうになっていた。そんなとき、元担当入居者からの手紙をきっかけに、終末医療や看取りの介護を受けざるを得なくなった患者たちの最期の願いを叶える特殊リゾート施設「楽園クロッシング」に転職することに。夏陽は理想の「看送り」を探して成長しながら、介護士としての自分を取り戻していく。自分らしく生きて、死ぬこととは―。心を揺さぶる感動のヒューマンドラマ!
著者等紹介
藤山素心[フジヤマモトミ]
広島県出身。医師。2017年にホビージャパン主催のHJ文庫大賞(現:HJ小説大賞)で金賞を受賞。一般小説から児童書まで幅広く執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
45
夏陽は10年間介護福祉士として働いた老人ホームをやめて引きこもっていた。その老人ホームで知り合った人からの手紙に導かれるようにして那須高原の施設を訪れる。終末期の患者の最期の願いをかなえて見送る「楽園クロッシング」で働くことになった夏陽は様々な患者の最期を見る。担当の患者・永木理央の最期の願いは謎のまま物語は進んでいくが読者にはうっすらと想像できる。6歳の少年の最期の物語は切なすぎる。物語的にはどうでもいいことかもしれないが夏陽は介護士なのか介護福祉士なのか…。2025/11/10
akiᵕ̈
25
旅立つとタイトルにあるように、終末期を迎えた患者さんたちの最後の生き方と、それを見守り手助けをする医療従事者たちとの交流を現役医師が描く。介護士として10年間働いていた職場を辞める時に、以前受け持った入居者さんからの手紙を見て、導かれるように訪れた施設で働くことになった夏陽。そこは、患者さんたちの最後の願いを叶える場所。膝から下を失っていても踊りたいダンサー、小学校に通うのを楽しみにしていた6歳の男の子、親しい人が身近にいない女性と、それぞれが内に秘めた最後の願いが叶い、旅立っていった姿には安堵する。2024/12/03
みぃひ
6
とある有料老人ホームでの勤務に嫌気が差して辞めた主人公が、前勤務地の入居者だった人から受け取った手紙に導かれてたどり着いた正体不明の施設「楽園クロッシング」に勤め、従業員や終末期の入居者と関わっていく作品。個人的に、母が介護福祉士、父が作中の病気で亡くなっていることから、特に重く、その時の情景と重なる部分が多い作品だった。「楽園ー」自体はだいぶフィクションだが、病気の治療内容や最期の瞬間はだいぶリアルで感情が動かされる。そして安楽死のあり方について問われている。人の死の従事者の方々には頭が下がります。2025/05/26
プクプク
4
Kindle本。人生の最期をどうむかえるのか?終末期の人はどう生きるのか。弱っていく身体であるけれど、叶えたいことはそれぞれにあって。その叶えたいことを全力で、「楽園クロッシング」の医師、介護士、看護師などがチームでサポートする物語。6歳の少年の最期、また理央の最期に涙した。人はそれぞれの人生を送ってきて、いつか最期を迎える。私の両親それぞれの最期を思い出し、あの時どうすればよかったのか、自分はどんなふうに誰に看取られるか、最期を考える機会となった。2025/11/15
087115
4
不覚にも泣いてしまった。2025/11/11




