出版社内容情報
山と海に囲まれた餅湯町。餅湯温泉を抱え、団体旅行客で賑わっていたかつての面影はとうにない。高校生の怜は、今日も学校の屋上で同級生4人と仲良く弁当を食べていた。淡々と過ぎていく日常の中で迫る進路の選択。母親が二人いるという家庭の中で、将来を見詰める怜は果たして……。
内容説明
海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わったかつての面影はとうにない。のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、母親が2人いる家庭の中で、迫りくる進路の選択や自由奔放な友人たちに振りまわされ、悩み多き日々を送っていた。そんなある日、餅湯博物館から縄文土器が盗まれる事件が発生する。―モヤモヤした日常を吹き飛ばす、青春群像小説!
著者等紹介
三浦しをん[ミウラシオン]
1976年東京都生まれ。2000年、長編小説『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞、15年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、18年刊行の『ののはな通信』で島清恋愛文学賞と河合隼雄物語賞、19年『愛なき世界』で日本植物学会賞特別賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
533
ひさびさのしをんさん。高校生主人公(これがまたイイコなんだ)の母親の秘密あたりは盛り上がったんだが、終盤、博物館の盗難事件くらいから一気に熱量が下がってしまった。期待が大きすぎたかな。こういう静かな青春モノが好きな人にはオススメ。温泉に行きたくなる(笑)2025/04/29
さてさて
213
『のどかを超えて、なにもかもが緩慢な町。警戒するとしたら、トンビに弁当をさらわれないかということぐらいしかない、怜の住む餅湯町』。そんな『餅場町』を舞台に高校生たちの”青春物語”が描かれるこの作品。そこには”しをん節”全開にすべてを吹っ切って描かれた物語がありました。高校生たちの個性に物語が活き活きと動き出すこの作品。実在するかの如く細かい所まで描写される『餅場町』の魅力が伝わってくるこの作品。人によって好き嫌いが極端に分かれそうにも感じる、兎にも角にも”しをん節”にどっぷり浸るのが吉と感じた作品でした。2025/01/05
佐島楓
68
ストーリーに引っ掛かりはあるけれど、しをんさんの作品に多くみられるガツンと来るものやズキズキするところはなかった。安心して読めてはいたんだけれども、好き好きかなあ。男子高校生のわちゃわちゃした日常をお書きになりたかったのだろうか。うーんいまひとつ足りない。勝手にハードル上げすぎですかね。ファンなので今後も新作が出たら読みますよ。2024/11/10
優希
59
面白かったです。温泉町に住む高校生たちの群像劇でした。穏やかな日常かと思えば、意外と波瀾万丈でおバカな展開だったので、笑いを堪えるのが大変でした。主人公に母親が2人いるなど、普通じゃないのが普通というのがただの平凡な作品にしないのが良いと思います。まわりの人たちも暖かくてほっこりしました。平凡だけれど非凡な青春小説だと感じました。2025/01/29
ゴルフ72
57
好きだなぁこんな青春小説!しをんさんだからこそ書けるんだろうなぁ・・・怜君っていい子だよねぇ母親が二人だっていいじゃない!同級生も個性が強く、でも良いやつばかり。だから読み終わった後何故か心が少し若くなったような。2024/11/30