出版社内容情報
「誇り高き宿無し」にして食の達人であるヤッさんが悩める若き料理人を救う大人気シリーズ、ついに完結! ヤッさんを長年支えてきたオモニに異変が!? 我が事となると狼狽えてしまうヤッさんが選んだ道とは。感動のラストが待ち受けるシリーズ完結作、ついに文庫化。
内容説明
コロナ禍をなんとか乗り切った神楽坂でカフェを営むマリエ。そんな彼女に大手百貨店から声がかかるが…(「マリエの覚醒」)。ヤッさんの一番弟子のタカオに女性寿司職人の真菜の弟子から相談事が舞い込む。(「タカオの矜持」)。そして、二人の師であるヤッさんがある日、オモニとともに姿を消す。いったいヤッさんに何が起きたのか。タカオが捜しはじめるが…(「ヤスの本懐」)。「食と人情」の大人気シリーズ、ついに完結!
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。茨城県育ち。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。書店員の熱心な応援により、2001年に文庫化された『床下仙人』が、07年にベストセラーに。同書は啓文堂書店おすすめ文庫大賞にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まるぷー
24
シリーズ完結。帯に「ヤッさんが失踪した!」という文字が目立つ。不穏な感じで恐る恐る読み始めるが、オモニも夜逃げ同然で姿を消す。ヤッさんの一番弟子のタカオが札幌に居ることを突き止め、矜持を捨てたヤッさんに渇を入れるタカオに熱いものを感じた。ヤッさんやオモニを慕う弟子たちの思いや人の交わりの深さに感銘した。そして、弟子や築地、豊洲界隈の人々が札幌に集合してオモニを見送る。憔悴の中、小樽から人知れずトラックに乗り込むヤッさん、更なる本懐を求めての旅たちだと思った。矜持を取り戻したヤッさんが戻ってくることを願う。2024/11/08
ぷにすけ
18
あの「ヤッさん」シリーズのファイナルとなりましたが、今回は愛する「オモニ」の病気で、すっかり自分を見失ってしまったヤッさん。らしくない行動でどんどんドツボに、はまっていきます。弟子たちの心配もよそに一人で頑張ろうと奮闘するのですが・・・ハッピーエンドとはいかない結末にちょっとがっかりでしたが、弟子たちの成長ぶりに救われました。ホントにこれでファイナルなんですかぁ!2024/11/26
ざるめ
14
ファイナルなのにヤッさんらしくない行動が最初から目立つ(・・;)と思ったら、そういう事情が…(TOT)でも、ヤッさんとオモニの想いは確実に受け継がれている素敵なファイナル(*^^*)2025/06/22
NAOAMI
11
ヤッさん始めすべての登場人物に敬意を表して◎。コロナ禍という嵐を過ぎた飲食業界。タカオ、マリエ・真菜ら弟子たちの奮闘。なぜかオモニと共に姿を消したヤッさんを頼らず、切り抜け解決していく弟子たちの成長にこちらとしても胸アツ。ヤッさんとオモニの事情が明かされる終章。オモニとの生活費に追われたヤッさんが初めて稔侍を保てない事態に一番弟子タカオの一喝。立場逆やん。でもヤッさんの立場に立てば、嬉しかっただろうなと思う。北海道の老舗洋食屋立て直し策は伏線回収という骨格があり楽しめた。終盤の涙、結末の明るさが何よりだ。2024/09/25
なんてひだ
7
終わった あー好きだなって今更ながら思う。最終回の程なのかキレがない、言葉使いも歯切れが悪いし、まだまだ難事件を解決する全国行脚するの出来ると思うけど、弟子もたくさん出てきてオモニの事は1番辛いな確かに本作1番の見所だが、ちょっと心が受け付けない矜持をなくしたヤッさんとか見たくないかも、タカオに説教されるとか嫌かも、寅さんの様などこかで生きている的なヤッさんのラストを考えていました。次は佳代のキッチン読もうって 原宏一さん体調が悪くてとかなのかなぁ 脳梗塞も3回目は本当にやばいとは聞いたことある2025/01/25