出版社内容情報
大沢在昌の「第一回小説推理新人賞」受賞作が表題作として収録されている「佐久間公シリーズ」最初の短編集。法律事務所の失踪人調査人・佐久間公のもとにボトル1本の報酬で11年前に別れた女を捜してくれという依頼がくるが……。バブル前夜の情景が浮かぶ傑作ハードボイルド小説集。
内容説明
法律事務所の若き失踪人調査人・佐久間公が都会の喧噪にまぎれて姿を消した若者たちを捜す大沢在昌のデビューシリーズ。11年前に別れた女性の行方を捜す「第一回小説推理新人賞」受賞作にしてデビュー短編の「感傷の街角」や有名俳優と恋仲になり消えた日本舞踊家元の娘を追う「フィナーレの破片」、劇場で変死した人気俳優。その死の真相を探る「サンタクロースが見えない」など珠玉の短編7篇を収録。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年名古屋市生まれ。79年「感傷の街角」で第1回小説推理新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナー
23
デビュー短編「感傷の街角」を含む珠玉の短編7編を収録した1冊。大沢在昌先生は大のオキニで最も多く読んでる作家ではあるが、実をいうと何をきっかけにいつ頃から読むようになったのか、記憶が曖昧だ。初期の作品を読んでみると新鮮な感じかするとともに、この作家の"色"ともいうべきものがはっきりと感じられ安心感も得られる。多く読んでいるとはいえ、未読のものも多い。それらもまた機会を見つけて追いかけてみたい。2025/01/20
たーさん
19
大沢御大のデビュー作を含む短編集。鮫島警部や佐江刑事とはまた違った魅力的な若き私立探偵佐久間公。若かりし頃の大沢さんが描くハードボイルドは心なしか若さを前面に押し出したほろ苦い結末をそう感じさせないものがあります。今の大沢作品は伏線や謎ときが幾つも張り巡らせてるけど若さ探偵が失踪した若者を探し出すという単純なストーリーで直線的。でも登場人物の心情などサラッときめ細かく描かれていてハードボイルドはこうゆうものだぞと教えてくれる探偵物語でした。2025/02/04
coldsurgeon
9
表題作はデビュー作品であり、新人賞受賞作品として読んだ記憶がある。作家になると宣言していた旧友の作品として、丁寧に読んでいた。連作短編集として読んでみると、ハードボイルド小説として練度が上がっていくのが、よくわかる。主人公の名前を誰からとったのかは、あの当時、すぐに分かった。2024/09/09
カツ丼
4
短編集のため、あっという間に解決したので、ちょっと物足りなかった気がする。2025/05/02
もえぞう
4
佐久間公シリーズの短編集。デビュー作でもある作品もあるので最初の何作かはちょっと読み難くて硬い感じですが、だんだんと硬さも取れて読み易く面白くなるのは、さすがです。悪友の沢辺が良い感じで好きなキャラクターです。2025/04/11
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