出版社内容情報
チクワの穴を通して人の姿を見ると、その人物の死に様が見える――。巷に溢れるチクワの秘めたる怖ろしい力に気付いたトラック運転手の男は、気づいてしまった事実の重さに苛まれ、やがて身を滅ぼしていく。荒唐無稽な設定から始まる奇妙な物語は、複数の視点から語られることで全く異なる側面を見せる。ラストには予想不可能な結末が待ち受ける、前代未聞・驚天動地のチクワ・サスペンスここに開幕!
内容説明
チクワの穴を通して人の姿を見ると、その人物の死に様が見える―。巷に溢れるチクワの秘めたる怖ろしい力に気付いたトラック運転手の男は、己だけが知る事実の重さに苛まれ、やがて身を滅ぼしていく。荒唐無稽な設定から始まる奇妙な物語は、複数の視点から語られることで全く異なる側面を見せる。予想不可能な結末が待ち受ける、前代未聞・驚天動地のチクワ・サスペンスここに開幕!
著者等紹介
五条紀夫[ゴジョウノリオ]
小説家。2022年に「全員もう死んでる」ミステリという奇抜な設定が話題を呼んだ『クローズドサスペンスヘブン』が新潮ミステリー大賞最終候補に選出され、23年同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
211
3章立ての構成になっているチクワ・サスペンス。第1章はそこそこ面白いのに、2章、3章と段々どうでも良くなってくる。最後のオチに至っては無理矢理感が半端なく、1章だけで終わってくれたらよっぽど良かったのに。チクワの穴から人を覗くと対象者の惨殺された姿が見え、対象者は実際そのような最期を遂げるという。1章の語り手の言う様にヤクザがチクワで殺し合ったり、人工衛星のカメラにチクワを取り付けて大量殺戮。みたいな方面に話を持って行って欲しかった。だのに実際は章を追う毎になんか急速につまらない話になってしまって残念。2024/12/17
まさきち
152
「ルビンの壺が割れた」のような空気感で進むものの、どこかコミカルさを拭えない。これも「チクワの呪い」のなせる技か。チー、クー、ワ!2024/10/11
いつでも母さん
148
頭を空っぽにして読んだ。沢山の???が浮かんでもそこは知らんぷりしてとにかく先を・・読み友さんのレビューで気になっていたのだが、可笑しさと発想の面白さに降参の読後感。誰がチクワに殺されるなんて思うでしょうかーだが読後はそそられても覗いてはいけないと自戒するのだった。スーパーでチクワを手にする度にこの作品を思うよね、きっと。2024/11/08
ちょろこ
129
意外、な一冊。一瞬、誰もが目がテンになるこのタイトルがすごい。そしてチクワをきちんとサスペンスに組み込ませたところがまたすごい。人って、穴があるとなぜか覗かずにはいられない生き物。そんな心理がチクワに作用したがために…というかなりぶっ飛んだ世にも恐ろしい展開。チクワからこの世を救うために自分に何ができるのか、立ち上がった一人の男性の姿は別の角度から照らされてみれば滑稽の一言では片付けられない思いにつまされていく意外なテイストだった。たかがチクワ、されどチクワ。それは命のかかったチクワ。侮れないチクワの穴。2024/10/16
タイ子
116
なんてシュールなタイトル。チクワってあの竹輪です。冒頭から始まる殺人現場の状況。殺された夫婦の周りに数万本のチクワが所狭しと散乱している。そして、男の書いた「私はチクワに殺されます」の手記が。チクワの穴を覗いた瞬間、向こうに見える人の最後の姿。いやもう、ここから私は何を読まされてるんだと思いながらの読書。だけど止められない、妙に面白くて。そして、物語りが違う視点で語られていく展開はトンデモ本がナットクの話に。二転三転するチクワ、いや人間の運命。チクワに興味のある人は覗いて見ませんか?穴の向こうを。2024/09/27