出版社内容情報
捜査一課の刑事・日向直幸は多摩川河川敷発砲事件の捜査を命じられる。使用された拳銃の線条痕が、22年前の「スーパーいちまつ強盗殺人事件」で使用された拳銃と一致。迷宮入り事件が一気に動き出す。その事件は鬼刑事の父・繁が担当し、捜査にのめり込むあまり家庭を崩壊させた。警官親子が骨肉の争いの果てに辿り着いた凶悪事件の真実とは――。
内容説明
警視庁捜査一課の刑事・日向直幸は多摩川河川敷発砲事件の捜査を命じられる。拳銃の線条痕が、22年前の「スーパーいちまつ強盗殺人事件」で使用された拳銃と一致。迷宮入り事件の捜査が一気に動き出す。その事件は鬼刑事の父・繁が担当した事件だった。繁は捜査にのめり込むあまり、DV野郎に堕ちて家庭を崩壊させた。直幸と音信不通だった繁は警視庁を退職してもなお、事件を追っていた。警官親子が骨肉の争いの果てに辿り着いた凶悪事件の真実とは―。
著者等紹介
深町秋生[フカマチアキオ]
1975年、山形県生まれ。2004年、「果てしなき渇き」で第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
136
はぁ。深町作品だもの読んでるはずと思いつ何故かポチッとした結果、やっぱり既読(汗)一年に何度かあるよ私(泣)で、22年前の事件が今、決着を見る。日向父子の邂逅となるのか。気持ちを新たに読み進めた。再読でも父・繫には心揺れず、スーパーナンペイ事件をやっぱり思い出しちゃった。深町さんだからと分かっていても、殴られたり刺されたり、ボコボコにされた気分(気分だけ)の再読だった。 2024/10/07
えみ
45
どう憎むのが正解かもわからない、手探り状態の暴力は相手に何を語らせたのか。何もかもが未解決事件。未解決事件の後遺症。それを哀れと見るならば、赦せない。どんなに素敵な明日をお膳立てされようとも、ここで赦したら世の中の「罪」の定義すらぼやけてしまう。22年前に起きた未解決事件「スーパーいちまつ強盗殺人事件」を追う元刑事と現役刑事の父子の壮絶な捜査。この父子、危険。凶悪犯罪以上の異様な殺意が異常事態を招く、狂人刑事の暴走。もはやこの「罪」を暴くことに報いがあるのかさえわからない。執念は人を獣にする…それが事実。2024/09/21
空のかなた
21
寝る前に読み始めたら、脳が興奮しているのか朝方まで眠れなかった。深町作品らしいバイオレンスの強度。捜査に没頭するDVの父親は妻をも殺しかねない暴力を容赦なく振るう、その狂気は凄まじい。もちろん息子もトラウマを抱えて育ち、復讐のように父親と同じ刑事になる。父親のようになるまい、と思いつつ相似形の親子には憎しみしか産まれない。20年前の犯人逮捕に尋常ではない執念を燃やす父親の武器のような肉体は実写化出来ないのではと思わせるほど。暴力だけではなく、人の情の巧みな表現と、エンディングに向けての興奮に酔いしれた。2025/01/05
Tomomi Yazaki
13
夜のスーパーに強盗が入り、店長と二人の若い女性が射殺された。一方、刑事の日向は児童虐待殺人事件を追っていた。実は彼自身も壮絶な虐待を経験していた。それも刑事である父親から。捜査が進まないと、その憂さ晴らしの標的となり、母はそれが原因で若くして死んだのだ。そして20年前の事件が動きだした。そこに現れたのは元刑事。虐待の父親。日向の心中に事件と虐待の日々が交錯した。執念なのか狂気なのか、事件を執拗に追う父。捜査のためには犯罪をも厭わない。一つの事件を追う刑事とその父。彼らの壮絶な闘いが今、始まろうとしている。2024/11/27
terukravitz
3
★★★★☆2024/05/31
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