出版社内容情報
正義か、出世か、家族か――がんじがらめの刑事が迫られる極限の選択とは!? 金沢東部署の刑事課長・比留は強盗を取り逃したうえに、娘は家出。さらには警官殺しと県警内部の不正と対峙することになる。次から次へと発生する事件に息をつく暇もなく、3つの事件が予想外に繋がっていく。上層部の圧力にも屈せず真実を追い続ける刑事の姿から目が離せない。『看守の流儀』で注目の著者による迫真の警察ミステリー。
内容説明
金沢東部署の刑事課長・比留は大ピンチ。アポ電強盗犯を取り逃して左遷が決定的に。同時期に出生の秘密を知ってしまった娘が家出してしまう。さらには駐在所警官殺しが発生して捜査に奔走するなか、県警内部の不正とも対峙することになり、公私ともにがんじがらめ。だが、次々に起こる事件は偶然ではなく、予想外に繋がっていく。県警幹部の圧力にも屈せず真実を追い続ける刑事の姿から目が離せない。『看守の流儀』で注目の著者による迫真の警察ミステリー。
著者等紹介
城山真一[シロヤマシンイチ]
1972年石川県生まれ。金沢大学法学部卒業。『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』(文庫化に際して『天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス』に改題)で、第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
52
石川県の金沢東部署はアポ電強盗犯を取り逃がす失態のほか、自転車の男性が死亡したひき逃げ犯もいまだ手掛かりなし。そこに駐在所の警官が殺される事件が発生する。刑事の比留は、引きこもりの高校生の娘が家出するという家族の問題を抱えながら捜査に当る。保身と正義、隠蔽と公表など捜査陣内部の問題を提示しながら進む警察小説で、さくさくと読了(このタイミングの読書に鹿児島県警の憂鬱を想起)。面白かったけれど、終盤のケレンミある筋立てに“やりすぎ感”も感じました。2024/06/16
えみ
51
この刑事を殺すのは誰だ。家族としても、組織の人間としても、不器用な生き方しかできないデビルと呼ばれる男。刑事課長・比留は追い詰められていた。いくつもの難局に逢着し、雁字搦めの彼が訴えるその正論は届かない。届かない正論、それは正義とならない…。県警の不正を知った比留は、幹部たちの圧力に屈してしまうのか。更に娘との重大な問題、秘密という爆弾。譲れることと譲れないこと、そして許せることと許せないこと、その境界が彼の中で曖昧となったとき、真相は指の隙間から零れ落ちていってしまうのだろう。比留の決断に固唾を呑む。2024/07/06
小説を最初に書いた人にありがとう
41
城山真一作品は「看守の流儀」シリーズで出会いファンになったので、今作も手に取った。看守シリーズのような短編集もいいが、長編も読み応えあり。今後も読み続けたい2024/10/30
み
20
一気読み^ ^看守の…の作家さんだ、と手に。家族の問題と事件の絡みは、お話しだもんねって感じでしたが、ハラハラを楽しみました。比留さんは、この後どうされるのか気になります、2作目出ないかな?2024/10/20
オヤニラミ
18
看守シリーズで完全にハマった著者の刑事物。金沢東部署刑事課長・比留はアポ電強盗の容疑者を取り逃す大失態の末に左遷が決定的になる。そんな中で、山間部の高坂駐在所で警官の殺害が起こり取り逃がした容疑者が関係するのか!?上司との摩擦も伴うが捜査を続ける。家庭では妻と死別し一人娘とも出生の秘密が明らかになり不運が重なる。そして数々の事件は県警内部の捏造へと繋がり…比留は正義を貫くのか、組織を守るのか、心が離れた娘とはどうなるのか!?収束へ向けての目まぐるしい展開は本当に迫真の物語。これも読んでよかったです😄2024/10/11