出版社内容情報
明治五年(1872年)。近代化が進む明治の世は、武士という存在を置き去りにして進みつつあった。娘の野茉莉とともに京都に移り住んだ甚夜は、昼は蕎麦屋を営みながらも、夜は相も変わらず鬼退治を生業にしていた。新時代になったものの、鬼の討伐依頼は増え続けるばかり。その陰には、どうやら「マガツメ」なる存在がかかわっているようだが……。大人気和風ファンタジーシリーズの第五巻が文庫化!
内容説明
明治五年(1872年)。近代化が進む明治の世は、武士という存在を置き去りにして進みつつあった。娘の野茉莉とともに京都に移り住んだ甚夜は、昼は蕎麦屋を営みながらも、夜は相も変わらず鬼退治を生業にしていた。新時代になったものの、鬼の討伐依頼は増え続けるばかり。その陰には、どうやら「マガツメ」なる存在がかかわっているようだが…。大人気和風ファンタジーシリーズの第五巻!
著者等紹介
中西モトオ[ナカニシモトオ]
WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由多
21
この人が、天女で朝顔だったのか。約束を覚えてもらえてたって、すごく嬉しいよね。りんご飴食べたくなった。懐かしい人との再会は、良くも悪くも甚夜の心を激しく揺らす。しかしマガツメの思惑も正体もわからないまま、甚夜の異能も封じられたまま続くとは。2023/12/15
nori
12
天女のお話。鬼と正体を晒してしまった甚夜は、預けられた娘と共に江戸から京都に逃れ蕎麦屋を始めていた。鬼を斬り捨てる情念の奥にある憎しみは消えないし、壮絶な闘いはあるものの、その合間には娘への慈しみで癒される。そして未来からタイムスリップして来た天女とはクラスメイトの薫。この地で朝顔と名付けられ甚夜の蕎麦屋を手伝う。ほんのひと時だが、淡く幸せに思える凡庸なる暮らし。 しかし、強烈な鬼が潜んで人を喰らう瞬間は間近に迫る…。2024/06/17
ツバサ
8
落ち着いた雰囲気になっていて、それだけ甚夜が年を重ねたということか。激しい戦いは少なく、移ろう時代と取り残される武士の心情が切ない。今と未来が交差するエピソードにはほっこりしました。ブログにてhttps://wing31.hatenadiary.jp/entry/2023/03/15/2041522023/03/15
陽ちゃん
7
シリーズ5作目。時代は明治に入ったところ。甚夜が野茉莉の父親をやっているのが微笑ましいです。そして、平成の時代から時代を超えて明治に来てしまった薫と甚夜が会っていたからこその、現代での「朝顔」呼びだったんですね。それにしても夜鷹さんの手記、笑っちゃいました。2023/05/06
くーすけ
6
時代は明治。武士の世の終わり。直次の苦悩が胸に迫る。直次は幸せになってほしかった。時空を超えた薫との出会い、ちとせとの再会に、心が温かくなる。時代の移り変わりの中で、出会いを重ね、守るべきものを見つけていく甚夜。最後の夜鷹の手記のくだりは笑った。2023/04/18