出版社内容情報
池永 陽[イケナガ ヨウ]
著・文・その他
内容説明
東京のちいさな商店街にある喫茶店『珈琲屋』。主の行介はあることで殺人を犯していた。当時、行介の恋人だった冬子と、幼馴染みの島木の三人を軸に、『珈琲屋』にやってくる客が語る人間ドラマを描いた連作集。今作では、行介が刑務所で知り合った若者・順平に、商店街の裏通りにあるおでん屋『伊呂波』の女将・理央子が物語に加わる。“訳あり”の人間がひきつけられる『珈琲屋』。今日もまた、その扉が開かれる。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年愛知県豊橋市生まれ。岐阜県立岐南工業高等学校卒業。グラフィックデザイナー、コピーライターを経て、98年『走るジイサン』で第11回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2006年『雲を斬る』で第12回中山義秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイマックス
123
7つの短編集。シリーズ作品。最後の『心もよう』は読みごたえあったけど、それまでの短編は、シリーズ作品の飽きというか、主人公の行介と冬子の会話がしつこくなっている。2022/09/14
おしゃべりメガネ
103
気がつけばシリーズ第5弾に。展開は変わらず、『珈琲屋』を営む寡黙でありながらアツい前科持ちのマスター「行介」と幼なじみの美女「冬子」、プレイボーイの「島木」が登場します。そこに新たにおでん屋を営む美人女将「理央子」とムショ帰りの「順平」が加わり、またまた一騒動に。回を重ねるごとにやっぱり「冬子」がどうも好きになれなくなっていきます。「行介」を想うキモチはわからなくはないのですが、とにかくモノの言い方に違和感が。マンネリなのは仕方ないにしても、もうこの二人のやりとりはちょっと食傷気味かなと。次回ははたして。2024/03/19
まさきち
91
珈琲屋シリーズの第5作目。相変わらずの優しさと、重く素敵な言葉が随所に散りばめられていて、総じてみればあたたかい気持ちになるものの、今回はいつになく物語のダークサイド的な雰囲気が強かった印象。行介と冬子の行末もさることながら、順平と次作で会えるか大いに気になりながらの読了です。2022/11/02
ゆみねこ
84
東京下町の喫茶店「珈琲屋」、マスターの行助はとある理由で人を殺めた過去がある。店の扉を開くのは心に闇を持つ人、今作では商店街におでん屋を開いた理央子と行助を兄貴と慕う順平が軸に。幼なじみで女好きの島木、元恋人の冬子とのやり取りは相変わらず面白い。さて、そろそろ冬子と行助の仲が進んでくれないかな?2022/11/24
真理そら
57
メンクイで10歳サバをよんでいる可愛い女性が登場する「年の差婚」の結末がおもしろい、この二人は無事結婚できただろうかw「それから」で始まって「これから」で終わる構成だが「これから」の最後はもうすこしすっきりさせてほしかった。冬子の手術をした優秀な外科医ならなんとかしてくれるかもだけれど…。この巻はバイオレンス色強めでした。このシリーズは殺人を犯した行介の贖罪と筋を通す姿勢が強すぎて冬子さんがかわいそうすぎる。2025/02/24