双葉文庫<br> 涼子点景1964

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双葉文庫
涼子点景1964

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575525823
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

父は姿を消したのよ。私が九歳の夏に。それ以上のことを言わない、誰にも――。1964年オリンピック決定に沸く東京で、競技場近くに住む一人の男が失踪した。美しく聡明な娘は自分の居場所と夢を守るため、偶然と幸運と犠牲を味方につけ生き抜いてゆくことを誓う。時代の空気感を濃密に反映させて描く、精緻にして全く予測不能な長編ミステリー。

内容説明

父は、姿を消したのよ。私が9歳の夏に。それ以上のことは言わない、誰にも―。1964年のオリンピック開催決定に沸く東京。だがその陰で、競技場近くに住む一人の男が忽然と姿を消していた。残された美しく聡明な娘は自分の居場所と夢を守るため、偶然と幸運、そして犠牲を味方につけ、したたかに生き抜いてゆくことを誓う。時代のリアルな空気を随所に織り込んで描いた、精緻にして全く予測不能な展開の長編ミステリー。

著者等紹介

森谷明子[モリヤアキコ]
1961年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2003年『千年の黙 異本源氏物語』で第13回鮎川哲也賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

65
戦後の復興がまだ十分でない東京でオリンピックが開催されることになった。国立競技場の近くの薬局の息子・健太は「少年キング」連載のサイボーグ009に夢中だったが近所の本屋で万引きの疑いをかけられて…。というようないくつかの小さな事件を鮮やかに解決する涼子。健太の兄・幸一は小中学校の同級生だったはずの涼子の身の上の変化に不審を抱いて小野田涼子という少女の謎を追いかけ始める。あばら屋住まいだった涼子がなぜお屋敷町のお嬢様になっているのかという大きなミステリーと涼子が探偵役になる小さな事件の合わせ技を楽しめる。2022/08/02

こばゆみ

10
読み終わったあとこのタイトル見ると、内容を的確に表しててカッコいいー✨ってなる!波乱万丈な人生を送る涼子を、周りの人々の視点で描いているのだけれど、章ごとにちょっとしたミステリーが組み込まれていて面白かった!特に東京オリンピックが開催された1964年に重きを置いているので、その頃の空気感も伝わってきてとても良かった(^^)2022/08/19

YH

3
有吉佐和子の悪女についてのように、涼子が知恵を生かしてまだ混乱していた時代をのし上がってくる物語を期待したが、外れた。でも面白かった。涼子は悪女ではなく、真っ直ぐな少女だったけれど、そんな涼子を慈しむ道子の愛情に最後、ちょっと泣けてしまった。2023/12/27

やなせトモロヲ

3
★★★★★ 昭和の空気感が懐かしかった。ミステリとしても楽しめた。2023/02/27

れんれん

2
ここ2~3年の間では一番良かった!60年代のオリンピック前後の昭和の風景を各主人公から見た出来事をそれぞれ違ったその当時の世相がいろんな方面から書かれていて、この1冊で世界観が疑似体験できた満足な作品でした。朱川湊人と連動して読むとまた感慨深い。まだ、戦後復興の傷跡、経済成長の両方が同時に存在した時代。苦悩もあったがいい時代だったのではないかと思う。ぜひ、若い人に体感してもらいたい。2023/03/05

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