出版社内容情報
木崎淳平は仕事を辞めて、ハワイ島のヒロを訪れた。友人から勧められた日本人が経営するホテルは「リピーターを受け入れない」ことが特徴だという。しかし、同宿者がプールで溺れ死ぬ事件が起きてしまう。直後にはバイク事故でもう一人が……。このホテルには「なにか」がある。最後のページまで気が抜けない、不穏な空気に充ちた傑作ミステリーの新装版!
内容説明
木崎淳平は仕事を辞めて、ハワイ島を訪れた。友人から勧められた日本人が経営するホテルは「リピーターを受け入れない」ことが特徴だという。淳平が表情豊かな島を満喫しようとした矢先、同宿者がホテルのプールで溺れ死ぬ事件が起こる。直後にはバイク事故でもう一人が…。このホテルには「なにか」がある。最後のページまで気が抜けない、不穏な空気に充ちた傑作ミステリーの新装版!
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。93年、『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。2008年『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
355
『死んだ人は、もう読めない本のようだ。彼のことを知りたいと思っても、知ることができるのはほんの表層のことだけだ』と、人の死を前に自身が抱える鬱屈とした人生を思う主人公の木崎が、ハワイという独特な空気感漂う地で過ごす様が描かれるこの作品。ハワイでの日々を『ここの居心地がいいのは、停滞していられるからだ』と冷静にも語る木崎の抱えるその闇、そして「ホテル・ピーベリー」に隠されたまさかの真実に読者が驚愕する結末が描かれるこの作品。ミステリーも得意とする近藤史恵さんの真骨頂を味わうことのできる素晴らしい作品でした。2022/05/21
射手座の天使あきちゃん
234
ハワイ島にあるリピーターお断りの小さなホテル。いわくありげな主人公と一癖も二癖もありそうな登場人物たち。 舞台設定はパーフェクト! どんどんストーリーに惹きこまれて気づいたら一気に読了、暫し余韻に浸るとなるはずなのに… 近藤さんのお話は相変わらずリーダビリティが高いけど、なんか「ありがち」なんですよねぇ結論が <(^_^;2022/11/13
Karl Heintz Schneider
183
このホテルに泊まっている5人の客のうち、2人が相次いで亡くなってしまう。ひとりはプールで溺死、もうひとりはバイクで事故死。このホテルには「なにか」ある、その秘密とは・・・読んでいるうちに、いつの間にか物語の世界に引き込まれてしまう。これぞ近藤マジック、近藤ワールド。前作がちょっと期待外れだっただけに近藤さんの魅力を存分に堪能できた。本書は5年前に出された単行本の文庫版とのこと。以前も読んだような気がしたが、それでも最後まで楽しめた。やっぱり、いいなあ近藤さんは。2022/09/08
イアン
180
★★★★★★★☆☆☆ハワイを舞台とした近藤史恵の長編。日本人が経営するリピーターお断りのホテル・ピーペリー。友人に勧められて訪れた淳平だったが、宿泊客の一人がプールで溺死し…。開放的なハワイのイメージとは裏腹に、登場人物は皆腹に一物を抱えた者ばかり。それは本当に事故死だったのか。なぜリピーターを受け入れないのか。「このホテルの客はみんな、嘘をついている」という惹句が魅惑的な作品。世界の13の気候帯のうち、サバナ気候と氷雪気候を除く11の気候帯がハワイ島にあるという。この事実をいつかドヤ顔で披露してみたい。2024/05/29
タイ子
136
舞台はハワイ島ヒロ。リピーターお断りの一度のみ宿泊できる最長3か月のホテル。元小学校教諭・木崎。訳あって教諭を辞職したらしいけど、何となく読めてくるその理由は大体合ってた。これから島を楽しもうとした矢先、宿泊客の男2人が相次いで死亡する事故が起こる。何かが起こっている、このホテルには謎がある。暴かれた真実にへぇ~な感じ。期待度が大きすぎたのか、帯の文句に踊らされ過ぎたのか思ってたよりは衝撃は少なかったな。近藤さんらしく軽く読めるミステリで面白くはあったけど。2022/06/09