出版社内容情報
安政三年(1856年)の冬、江戸の町では銘酒「ゆきのなごり」が大流行していた。相変わらず鬼退治の仕事をし続けていた甚夜は、この酒をめぐる事件に巻き込まれてしまう。そして、その渦中、16年間行方知れずだった妹の影を発見するのだが……。武士と夜鷹の恋物語、鬼の噂を追っている付喪神を使う男の登場、消えない過去との対峙――物語がさらに深まるシリーズ第3巻が文庫化!
内容説明
安政三年(1856年)の冬、江戸の町では銘酒「ゆきのなごり」が大流行していた。相変わらず鬼退治の仕事をし続けていた甚夜は、この酒をめぐる事件に巻き込まれてしまう。そして、その渦中、16年間行方知れずだった妹の影を発見するのだが…。武士と夜鷹の恋物語、鬼の噂を追っている付喪神を使う男の登場、消えない過去との対峙―物語がさらに深まるシリーズ第3巻!
著者等紹介
中西モトオ[ナカニシモトオ]
WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mayu
79
1巻に続き、過酷な運命が甚夜に。強くなりたいから鬼を討つ。いつか鬼神を止めるために。だけど、斬らざるを得なかった鬼は、不器用ながらも優しさを持った、分かり合えるかもしれないと願ったあの人だった。悲しすぎる別れ。またしても、大切な人を失った。それでも、変えられない決意が辛い。白雪もそんなところにいたとは。死してなお、甚夜に見つけてほしいと祈る気持ちが哀しい。どれだけ苦しい思いを重ねたら、結末にたどり着けるのだろう。2022/03/23
MATSU
41
新しく夜鷹と染五郎が出てきて少し賑やかになったと思ったら💦仕方ないとはいえ悲しい結末に。せめて、まだまだ喜兵衛の店主やおふうとの繋がりが少しでも長く続くと願いたいです。続きもあるので楽しみですが、また切ないのでしょうね。2022/10/07
こも 旧柏バカ一代
34
本書は、安政三年の江戸を舞台にした深い感動と切なさを伴う物語である。江戸の町で鬼退治の仕事を続ける甚夜が、酒「ゆきのなごり」を巡る事件に巻き込まれ、16年間行方不明だった妹の影を発見するというストーリーが展開される。武士と夜鷹の恋物語や鬼の噂を追う付喪神使いの登場、消えない過去との対峙など、物語はさらに深みを増している。物語の中で、甚夜は試練に次ぐ試練を経験する。特に中盤までは穏やかに進むかと思われたが、物語は甘くなく、甚夜にとって心締め付けられる別れが再び訪れる。2024/05/26
那由多
22
心も鬼になれれば苦しまずにいられるのに、人間だった甚太の心のままな甚夜が悲しくなる。江戸から出ていってしまうのかな。2023/12/11
flower0824_
17
シリーズ3作目。江戸の町で「ゆきのなごり」という酒が流行り出した。飲んだ者に異変が起き始め、出所を探ることになる甚夜。付喪神使いの染五郎、情報屋(?)の夜鷹という新キャラも登場。染五郎なかなか良い感じ。染五郎の京言葉、甚夜とのやり取りが重く暗い話を少し軽くしてくれている。鬼を狩る鬼となった甚夜だったが再会した父親と義理の妹との時間は長くは続かなかった。江戸編が終わり幕末編へ。平成までまだまだ先は長い。2023/02/11