出版社内容情報
動物園で夜勤のアルバイトを始めた飛鳥は、同行する先輩・不破の秘密を知る。なんと、不破は動物と自分の中身を「入れ替わる」ことができるのだ。不破と飛鳥は、動物たちと意思疎通しながら、連日愉快な夜を過ごす。しかし、老朽化による動物園の閉鎖が迫っていて――。動物と人間たちの忘れられない夜を描いた感動作。
内容説明
動物園でアルバイトをする飛鳥は、急な代理で夜間見回りを頼まれ、一緒に夜勤当番をする職員の不破の秘密を知る。なんと、不破は動物と「入れ替わる」ことができる特殊な体質だった。ライオン、キリン、サイ、フラミンゴ…不破の体を借りて檻の外に出た動物たちと、夜ごと愉快な時間を過ごすうちに、飛鳥は諦めていた夢を思い出す。しかし、老朽化による動物園の閉鎖が半年後に迫っていて―。楽しい動物たちとの交流と、人間の再生する姿を描いた、温かく不思議な夜の物語。
著者等紹介
石井祥[イシダショウ]
1975年京都府生まれ。高校卒業後、金融会社に入社し、のちに通信会社勤務の傍ら小説の執筆を始める。2014年、第9回日本ラブストーリー大賞へ応募した『トマトの先生』が大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
166
半年後には閉園する動物園で、アルバイトする飛鳥。バイト代を稼ぐために、夜勤当番の依頼を受ける。夜勤当番の不破は、動物と入れ替わる特殊な能力をあることとを知り、不破と入れ替わった動物と、楽しい時間を過ごす。まさに不思議な動物園だ。飛鳥も不破も悩みなど抱え、動物達との交流が癒やしなのかもしれない。いや、現実逃避なのか。このまま、ほのぼのと終わっていくのかと思ったら、ほのぼのどころではなかった。アクション映画を見るような展開にビックリ。でも、しっかり優しい再生物語。ライガ、格好よかったぜ!2024/04/30
Ikutan
83
動物園でアルバイトをする飛鳥は、急きょ代理で夜勤をすることになり、夜勤スペシャリスト、常勤の不破の信じられない秘密を知ってしまう。彼は動物と入れ替わることができるのだ。初めは豹変した不破にえっ!?どういうこと?と戸惑ったけれど、その奇想天外な反応にワクワク楽しくなってくる。特にチャラいけれど優しくて勇敢な老ライオンのライガのキャラが際立っていい。そうだね。案外、人間の方が不自由なのかも。飛鳥の成長と動物たちとの愉しい交流に心温まる物語です。ラストはじんわり泣けたな。改めて見た表紙のライガの表情にニンマリ。2022/03/08
はにこ
64
動物園で働く飛鳥と不破。それぞれ心に屈託を抱きながら働く。不破の不思議な能力は動物と意識を入れ替えられるということ。実際こんなこと出来たらよいなぁ。動物が普段どんなことを考えているのか知りたい!狭い動物園で餌に困ることなく暮らすのと、広いけど、外敵や餌不足に苦しんで暮らすのどっちが幸せなのだろう。不破と入れ替わった動物達が好き勝手やっているのが可愛かったなぁ。そして、ライガがめちゃイケメンだった。やっぱりこの作家さん好きだわぁ。2025/03/16
はっせー
57
本書の舞台は動物園になります。主人公は動物園に働く飛鳥。動物園も閉鎖が決まり、今後どうするのか悩んでいるときに頼まれたのが動物園の夜勤勤務。お金も稼げるからと引き受ける飛鳥。一緒に夜勤対応するのは不破。不破にはある秘密を持っている。それは動物たちと「入れ替わる」ことが出来る能力をもっている。動物園にいる動物たちと「入れ替わり」後に交流することによって、飛鳥が心に蓋をしていた夢と向き合うことに。ファンタジー小説の分野ですが、そこまで現実離れしていないため、とても読みやすく感情移入しやすい!2025/02/24
ポチ
44
動物園の動物ってどんな事を思ってるんだろう?毎日退屈じゃないのかな?などと思ったが、入れ替わった夜の動物園で楽しそうに語ったり遊んでいる動物達を見ればニンマリしてしまいますね。こんなファンタジーもいいですね。2024/07/19
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