出版社内容情報
地元で転職活動中の矢口泰彦はある夜、居酒屋で顧客に危うい目に遭いそうになっていた女性を助ける。その女性、弓場明日香は、京都の貸衣裳店「お衣裳 美三輝」の常務だと名乗り、泰彦に感謝の言葉を告げたあと、いきなり「もし良かったら、京都に来ませんか。というか、うちの会社に来て? というか将来、うちのお婿さんになってくれへん!?」とプロポーズをする。泰彦は急すぎる展開に戸惑うが、明日香の熱意と純粋な瞳に惹かれて、京都に行くことを決意する。
内容説明
「京都っていうんはな、居るだけで気分の上がる不思議な町え。私らのお商売は、そこに立つ人のお召し物を貸したげるんや。人さん喜ばすお手伝い。こんなん、素敵やと思わへん?」―ひょんなことから、京都の貸衣装店「お衣裳 美三輝」の常務・明日香から熱烈な“プロポーズ”を受けた転職活動中の泰彦。明日香の熱意に打たれ、美三輝で働くことになった泰彦は、慣れない仕事に戸惑いつつも、京都の街、そして和装とお衣装の奥深さにだんだん魅せられていく。
著者等紹介
天花寺さやか[テンゲイジサヤカ]
京都市生まれ、京都市育ち。「京都府警あやかし課の事件簿」(PHP文芸文庫)でデビューし、同作で第7回京都本大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カメ吉
65
天花寺氏の作品『京都府警あやかし課シリーズ』も好きですがこの作品の方が個人的には好きです。この作品は「あやかし」や「不思議な」はない「お仕事」と「恋愛」を気持ち良く綴った物語。舞台は京都の堀川丸太町にある貸衣装店「お衣装 美三輝」。その常務でオーナーの孫娘・明日香と明日香に見初められ山梨からやってきた泰彦との仕事での成長と恋愛模様が本当に良かった。この作家さんは京都弁を駆使してて京都本らしさ満点です。京都の行事、伝統、地理など精通されてて感心してしまう。個人的にも母親の実家が堀川丸太町付近で親近感◎です。2021/05/06
よっち
42
地元で転職活動中の矢口泰彦はある夜、居酒屋で顧客に危うい目に遭いそうになっていた弓場明日香を助け、自らが常務を務める京都の貸衣裳店へのスカウトと逆プロポーズされるお仕事小説。急すぎる展開に戸惑いながらも、明日香の熱意と純粋な瞳に惹かれて京都に行くことを決意する泰彦。明日香と一緒に働く中で知る和装の世界に魅せられて成長し、一方でお婿さんと周囲に紹介する明日香との夫婦漫才や、時にはしっかりと向き合ういいコンビっぷりが、お互いの存在を意識しながら刺激し合える関係でとても素敵だと思いました。続編も期待しています。2021/05/23
らび
31
出会いからもうプロポーズだったのでこのボリュームでも無理なく想い合う展開になってます。京都が舞台だとしっとりもほっこりも全部OKな丸ごと京都感がこの作品では「貸衣装」で和装でも洋装でも「和」が活かされていて伝統工芸のような高価なのもから自分で作る西陣織体験など、やっぱり底力と奥行きが深くて憧れますね。1人前になった泰彦のお仕事ぶりが見たいです。表紙の明日香のドレスが可愛い。2021/08/01
み
22
ジャケに引きながらも何となく手にした初読みの作家さん。明日香さんの強引さが微笑ましかったです。和装ドレスは、むっちゃ素敵そうです、あたしの妄想では。2022/11/10
しぇん
17
うーん。女性向けかも?。というか京都のお仕事ランナー小説と思って気軽に手をとった自分が悪かったのかもしれません。仕事の詳しい描写を読み飛ばせば楽しめるのかもしれませんが、それだと着物や文化に真剣に書いてそうな作者に失礼かもと思いながら肝のの病者つい読み飛ばしてしまってしまいそうになり、多分自分が何かミスってるんだろうなと。でも10年ぶらくらいに京都に行きたくなりました。コロナおさまって静かなら……2021/04/25