出版社内容情報
刑事からある女性のあとを尾けるよういわれた俺。仕方なく引き受け、その女性の日常をたどることになったが、その女性が向かったのは警察署だった……。日本推理作家協会賞の候補作「影」を含む短編4編を収録。高い文章力と巧みな構成力で一気に読ませるミステリー作品集。事件の裏のまたその奥にある真相とは。
内容説明
絡み合う人間関係を描いた「虹」、ある人物を尾行するよう依頼された男が見た真実「影」、高校球児が知った仲間の行動の意味「空」など、市井に生きる“普通の人々”が抱える謎を描いた作品集。―真相が明らかになるとき、その人の本当の顔が見えてくる。今までわからなかった、真の姿が。
著者等紹介
池田久輝[イケダヒサキ]
1972年京都府生まれ。同志社大学法学部卒業。2013年、香港の裏社会を描いた『晩夏光』で第5回角川春樹小説賞を受賞。池田長十名義で朗読ユニット「グラス・マーケッツ」を手掛けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のんちゃん
17
初読みの作家さん。4編からなるミステリー短編集。普通の人々の謎の話。男性作家さんらしい無骨な感じの文体だ。本作所収の一編が日本推理作家協会賞の短編部門候補になったとの事。少しミスリードさせる面白い作品だが、素人ながら言わせていただくと、もう一味、何かが足りない気がした。それがあればもうひとつ抜きん出る事ができる作家さんだと思う。とても惜しい気がして、僭越ながら記させていただいた。2021/04/14
at@n
2
読後感がどれもよい。引きこもりの青年のエピソードは警官が話を聞いてあげるだけではなくて、ちゃんと医療につないだほうがいい気がする。2020/10/27