出版社内容情報
唐沢慎介の三人の息子たちの嫁と、慎介の後妻の車椅子の美しい連れ子。四人の女性は雪に閉ざされた慎介の別荘で彼の到着を待っていた。そこに不吉な速達が届く。これまで他人同士だが仲良く幸せに暮らしていた彼女たちが、突然、恐怖のどん底に突き落とされる。美しい文章と卓越した心理描写で綴る極上の長篇心理サスペンス!
内容説明
唐沢慎介の三人の息子たちの嫁と、後妻の美しい連れ子。四人の女性は雪に閉ざされた慎介の別荘で彼の到着を待っていた。そこに不吉な速達が届く。これまで他人同士だが仲良く幸せに暮らしていた彼女たちが、突然、恐怖のどん底に突き落とされる。美しい文章と卓越した心理描写で綴る極上の長編心理サスペンス!
著者等紹介
小池真理子[コイケマリコ]
1952年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒。89年「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。95年『恋』で第114回直木賞、98年『欲望』で第5回島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で第62回芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で第47回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
55
95年の作品。小池さんらしい雪で閉ざされた別荘地が舞台。登場人物が少ない密室劇。女4人の感情のぶつかり合いと歪んだ恋愛感情。悪女を描かせると小池さんはやはりピカ一だと思う。2021/01/22
momi
49
事故で夫を失った未亡人が語る…百合の咲き誇る「唐沢家」でおきた出来ごと…。静かに語られているのに…その静かさが逆に怖く…ざわざわと落ち着かない気持ちになる。 義父が愛した山百合…。 雪で閉ざされた山奥の別荘で…不穏な空気が流れ始め…濃厚で親密な関係が崩壊していく…。繰り返される愛の言葉…愛してるって言葉に疑問をもつ…。 匂いだつような濃密な関係がそうさせて悲劇をうんでしまったのか…。雰囲気で読ませる大人のサスペンスです! 2020/09/30
coolgang1957
40
小池真理子さんは、ずーっと前に何かを読んだはず。直木賞受賞作かもやけど、それ以来かなぁ🤔やっぱりちょっと苦手やねんな🤨この本も変わった家庭環境で複雑な恋愛感情を出してるから、そういうとこがオッチャンには合わんのでしょう😓最後はもっとどんでん返しがあるかと思ったけどなぁ😅2020/10/12
なっち
37
1995年に中公文庫より刊行されたものを新装版として双葉社より刊行。まだ読んでいない昔の作品だったので購入。小池ワールド満載といったところです。誰からも愛される義父と唐沢家に嫁いだ嫁3人。義父の再婚相手の美しい連れ子。このメンツで何か起こらないわけがない!非常に楽しめました。2020/09/23
ぐうぐう
27
雪に閉ざされた別荘、そこに届く謎の手紙、そして殺人事件。ミステリを盛り上げる材料がご丁寧に配置されているはずが、小池真理子はステレオタイプの推理小説から離れようとする。犯人探しが目的ではなく、あくまで心の奥底にある風景を見ようと分け入る行為こそが小池にとって小説を書く最大の目的なのだ。ここで描かれるインモラルは、あまりに重く暗く、ミステリ、あるいはサスペンス小説という枠組み内に収めるにはバランスを欠き、ぶっちゃけ歪だ。それは小池も重々承知なのだろう。(つづく)2022/03/22
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