出版社内容情報
令王大学の名村准教授は若き天才研究者。人工知能(AI)を進化させるため、人の心の「なぜ?」を解きあかそうとしていた。特任助手の若葉とともに、不可解な事件の謎に挑む。遺品として見つかった出所不明の日本刀、慣れない登山に挑んだ青年の事故死、突然の婚約破棄、息子に殺人の罪をなすりつけた父親――名村がたどりついた驚きの真相とは!?
内容説明
令王大学の名村准教授は若き天才研究者。人工知能(AI)を進化させるため、人の心の「なぜ?」を解き明かそうとしていた。特任助手の若葉とともに、動機が不可解な事件の調査に挑む。遺品として見つかった出所不明の日本刀、登山中の事故死、突然の婚約破棄、息子に殺人の罪をなすりつけた父親―4つの謎に名村がたどり着いた真相とは!?
著者等紹介
喜多喜久[キタヨシヒサ]
1979年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第9回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、2011年、受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aquamarine
88
大学の准教授が人工知能(AI)を進化させるため、人の心の「なぜ」を解きあかそうと、特任助手とともに事件の不可解な謎に挑む連作。遺品の日本刀、登山中に事故死した青年、突然の婚約破棄…謎は次第に重くなり、最後の謎は殺人犯の「なぜ」だ。AIに感情を持たせることについての必要性はわかるが、そもそもこの准教授・名村自身が感情を理解できないのだ。そして必要があって隠されていたものを暴いた結果、当然苦いものも残る。 作成中のAI「ミライ」は可愛らしいが、感情を持ったAIは人間を超えそうで、想像のできない怖さも感じた。2020/11/09
よっち
49
令王大学で人工知能を進化させるため、人の心を解きあかそうとする名村准教授。特任助手の若葉とともに持ち込まれた不可解な事件の理由解明に挑むミステリ。遺品として見つかった出所不明の日本刀を亡き母が持っていた理由、慣れない登山で事故死した青年の想い、突然婚約破棄した理由、息子に殺人の罪をなすりつけた父親と、日常の人間関係において発生する「なぜ」を解き明かしてほしいという依頼を、有能だけれど人の心の動きがよく分からない名村を、行動力ある若葉がフォローする形で二人で真相を解き明かしてゆく展開はなかなか良かったです。2020/09/22
坂城 弥生
42
作家さんの名前とタイトルから勝手に動機が不明の犯罪者の動機を探る話かと思ったら、もっと日常に近い感じの話だった。でもちょっと後味は悪い話が多かったかな。2020/08/24
ハゲおやじ
41
4つの短編から構成。設定が奇抜で引き込まれる。この作者は、キュリー シリーズもそうだが 主人公とバディの関係が面白さを引き上げていると思う。二話と四話は、辛くなる話だった。三話は 恋愛不感体質?に驚き 人の感情の難しさを知ることになった… って、御都合主義は仕方無い話で それを差し引いても この設定は面白いなぁ。でも なぜが読むスピードが上がらなかったのは、私の精神的な原因かな。もし、同じ職場に 名村が居たら 嫌だなぁ~。次 どうしよう。2024/02/11
のんちゃん
41
若葉は、令王大学先進人工知能研究室准教授名村の下で特任助手をしている。仕事内容は人が起こす動機が不可解な案件を集める事。そして案件の謎を名村と共に解き明かす事だ。その結果を名村が人工知能に組み込み、人工知能の進化をはかる、これがこの研究室の取り組みである。いやー、よくこの設定を考えたなぁと思う。謎解きの舞台は出尽くした感があったが、この設定だと無理なく話が進む。興味を惹かれ頁が進む。前回の喜多作品が少々合わなかったので、今回の当たり感が嬉しい(^。^)2020/09/29