出版社内容情報
自転車で蛇行運転をしていた青年が警察官に捕まり、取り押さえられているときに死亡した。警察官の暴行を目撃した複数の人間がいるにもかかわらず、警察は正当な職務だと主張する。水木弁護士が警察を相手に法廷に臨んだのだが、裁判は著しく公正を欠く展開となった。水木は最後の賭けに出る。映像化作品、待望の文庫化!
内容説明
自転車で蛇行運転をしていた青年が警察官に捕まり、取り押さえられているときに死亡した。警察官の暴行を目撃した複数の人間がいるにもかかわらず、警察は正当な職務だと主張する。水木弁護士は警察官を被告に法廷へ臨んだが、裁判は著しく公正を欠く展開となった。水木は最後の賭けに出る!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年東京都生まれ。データベース会社に勤務のかたわら執筆した「原島弁護士の処置」でオール讀物推理新人賞を受賞しデビュー。『土俵を走る殺意』で第11回吉川英治文学新人賞、『絆』で第41回日本推理作家協会賞長篇賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
48
真実を追い求め、正しい人を助ける正義の味方であるべき警察・検察・裁判が、こんな酷い隠蔽体質で汚れきっているのだとしたら言えることはただ一つ。世も末だな…。気分が悪くなるほどの人でなし加減に警察というより偽証した奴、証言者を脅した奴、人間終わってる。自分も巻き込まれるかもしれない。怖い。そう思ってしまう時点で、小説の中だけのフィクションだよ!と言い切れないくらいの疑惑心は持っている。無いとは言えない展開に胸が痛む。警察官の誤った判断で不当に取り押さえられ暴力を受けて殺された息子。権力に立ち向かう父親達の戦。2020/10/29
まるぷー
27
知的障害の青年が乗る自転車がパトカーに幅寄せされ、警察官に殴る蹴るの暴行を受け死亡する。暴行を一部始終を目撃した証人も存在するが、警察は正当な職務だと主張する。被害者の父親と水木弁護士は警察官を告訴する。しかし、警察、検察は証人に圧力をかけ事実の隠蔽を計る。権力をたてにし、原告を封じ込めようとする。警察は何としてでも身内を守ろうとする体質に辟易した。裁判とは公平なはずではないのか?と叫びたくなった。偽証は罪になると宣誓した証人は、警察の有利な証言。さて、結審前原告の最終手段とは?尻切れに終ったのは残念。2021/01/22
ほんた
20
自転車に乗っていた翔太という少年が警察に追いかけられ,歩道に乗り上げてしまう。警察が暴行を加え,翔太は亡くなってしまう。父親の怒り,目撃証言。法廷は思わぬ方向へと向かいます。「冤罪」を作り出してしまうのか。「声なき叫び」は届くのか。 https://hontablog.com/声なき叫び2023/03/11
一笑
17
作者名をみて借りた本だったけれど、再読本だった。きっと前回も作者名をみて借りてきたんだろな~。知的障害を持つ青年が警察官の暴行により死亡。その死の原因を隠蔽しようとする警察と警察に協力する検察や裁判官。鉄壁の守りに挑戦するのは青年の両親・授産所職員・弁護士水木。再読本と言うこともあり、本当にあっと今に読み終えた。イライラする前半だけれど、最後が正義が勝つ。これでないと読書はつまらない。再読に値する作品です。2023/07/31
柊子
16
え? これで終わり? 論告求刑と判決は書いてくれないの? そこが一番、読者が知りたい所なのでは? ストーリーは面白かったのに、これではもやもや感ばかりが残る。2021/01/15