出版社内容情報
小学六年生の少年と窓際サラリーマンはともに陰湿なイジメに遭い、自殺しようとやって来た鉄道の駅で意気投合した。二人は、バイクに乗って自殺場所探しの旅に出かけるのだが……。(「自殺同盟」より)。恐怖、ユーモア、謎、サスペンス……平成元年刊行の傑作短篇集が令和元年に甦る!
内容説明
小学校六年生の明男は駅のホームにひとり佇んでいた。明日から始まる連休にどこかへ出かけるためではなく、「この世におさらばするため」駅にやってきたのだ…(「自殺同盟」)。ユーモア、サスペンス、伝奇…様々な技法を駆使して現代社会の抱える病巣を鋭くえぐる珠玉のミステリー短編集。
著者等紹介
宗田理[ソウダオサム]
1928年東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒。子供や老人など弱者の視点から社会の矛盾を描く作品を多く著し、人気を博する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
59
世知辛い世の中を鋭く風刺のきいた文章で邪念や憎悪を見事に霧散させる一冊。ユーモアのなかにピリッとした本音が混じるような6話収録の短編集。何かに取り憑かれてしまった人の心は、鎮まるほど壊れている…。一話だけでも感じ取ることが出来るが、二話、三話と読んでいくうちに確信へ変わる。そう、人の心は九分十分。それを覆すのではなく、利用して終焉とするミステリに暗い悦びを感じてしまう。想いの成就に疼き、事の達成にザワリと鳥肌が立つ。自殺、殺人、遺体消失、失踪‥自分が自分を自分で自分に自分のための行動が予想外の結末を誘う。2023/02/18
キューポップ
38
初めての作家。長編だと勘違いし入手。どんより暗いのは構わないのだが、ハラハラさせてくれたとか引っ掛かりどころが無く、面白くなかった。『自殺同盟』電車のホームで自殺志願の中年男性と小6男の子が出会い、その後一緒に行動する。二人がツーリングで楽しく時を過ごす場面は良かったが、その後二人はどうなったのだろう?『補陀物落水行』島の人間は全て知り合いか親戚。経歴が分からぬ者はよそ者。絶対に住みたくもないが、こういった閉鎖的な村の因習等を読むのは好き。だが、全編中途半端で読了達成感無し。☆13℃🐧昼前からずっと☔2020/10/19
ブルちゃん
31
自殺同盟の長編かと思ってたら、なんか怖い話ばっかりの短編集だった😭 で、全て暗い、怖い、終わり方が謎という。 読むのほんと辛かった😭😭 2020/04/17
シュナ
3
どれも中途半端な終わり方な気がする。イヤミスともちょっと違うような。ただ、どれも続きが気になる短編集だった。「自殺同盟」が良かったかな。2019/11/02
ねこ
2
人の死にまつわる短編集。ただどの話も読後にモヤっとした嫌な感情を抱かせたいのか、スッキリしない終わり方で話が切れている為、イヤミスという程でもなく、ただなんとなくモヤモヤして終わったという感じでしかありませんでした。むしろ短編集ではなく、個々の話がしっかりした構成で一つの小説だったなら、もっと面白かったのかなぁとも思います。2019/11/07