出版社内容情報
大学生の真壁りんに届いた、祖父の死の知らせ。急いで葬儀会場へ向かうと一人の青年が現れる。彼が祖父の「隠し子」と名乗ったことを皮切りに、相続の話し合いは揉めに揉めることに。マイペース、しっかり者、自由人、冗談好き、ゴシップ通…。一人一人はいい人なのに、火種が次々と浮上し家族は崩壊寸前。解決に奔走するりんだったが……。笑って泣けるホームドラマの傑作。
内容説明
大学生の真壁りんに届いた、祖父の死の知らせ。急いで親族が集まる葬儀会場へ向かうと、祖父の隠し子を名乗る青年・植田が現れた。米穀店を営んでいた祖父が遺したのは小さな家とわずかな預金だけなはずなのに、植田の登場を皮切りに相続の話し合いは揉めに揉め…。のんきで明るかった家族は、崩壊寸前!?解決に奔走するりんは以前の家族を取り戻せるのか。
著者等紹介
朱野帰子[アケノカエルコ]
東京都出身。2009年『マタタビ潔子の猫魂』で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papako
60
祖父が亡くなり4人の姉妹兄弟で相続することになった真壁家。1人失踪している末の弟の嫁容子が介護していた。居候の作家植田が引っ掻き回し、法学部に通う孫娘で容子の娘りんがいろいろ頑張るが、最後は容子さんの一本勝ち。そして赤ちゃんの破壊力は最強!家と少々の預金だけ。借金はないけど、それでもこれだけ揉める。植田とアナウンサーのくだりがいまいちはまってなくて、気になりました。うちの旦那は一人っ子だからいいけど、私は兄がいる。絶対揉めるな。家しかないけど、家は京都だしな。絶対過去のこと持ち出すな、私。2022/02/24
dr2006
50
「その法律バグってる?」争いの解決により育ってきた民法は冷静だ。一方で、人と家は切り離そうとすれば必ず熱い血が流れてしまう。祖父麟太郎の死去で勃発する相続問題で崩壊していく真壁家を描く物語。法科で学ぶ孫の真壁りんは、麟太郎の子の代の相続の協議に中立的な立場で参加することになった。泥沼化していく相続問題の行方は?相続なんて関係ないと思うなかれ、法はどこまでも追いかけてくる。法律の参考書なんて読んでも身に付かない自信あるけど、小説の中で親族の相関や登場人物の背景があるとわかり易い。民法の勉強になって良かった。2021/02/25
Nat
40
主人公は真面目な良い子で好きだが、何だかスッキリしなくてずっとザワザワした気持ちで読んでいた。しかし、最後に少しスッキリした。相続って大変!2022/08/22
よっち
40
大学生の真壁りんに届いた祖父の死の知らせ。急いで葬儀会場へ向かうと一人の青年が現れ、彼が祖父の「隠し子」と名乗ったことを皮切りに、相続の話し合いは揉めに揉めてゆく物語。祖父が遺した小さな家と預金のみの相続を巡る、寄り付かなった長男夫婦、独り身でデザイナーの長女、事実婚の次女たちの醜い争い。こういう時末っ子だった夫が失踪した後も同居して介護していた妻とか立場弱いんですね…話としては妥当なところに落ち着いた感もありましたけど、終わってみれば弱い立場だったりんの母が一番したたかだった…とても勉強になりました。 2019/11/22
吾亦紅
31
相続。こんなに大変なのか…。真壁家は揉めに揉める。それでも祖父が亡くなって数週間の間に一応の決着を見せたからまだいい方なのか。まだ渦中に身を置いたことはないが、近くない将来、直面するのは必至。法律で厳然と規定してあっても、相続する側の事情はそれぞれ。法律にだって不備はあるし。そこをどう折り合っていくのか、本当の人間力が試されるんだろうなあ。大丈夫かな。不安。2020/12/25