出版社内容情報
混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。でも、心も身体もすっかり馴染みきったある日、唐突に知ってしまう。彼女が僕に近づいた理由を――。(表題作「優しい音楽」)ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合いを描いた作品集。
内容説明
混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。でも、心も身体もすっかり馴染みきったある日、唐突に知ってしまう。彼女が僕に近づいた理由を―。(表題作「優しい音楽」)ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合い。幸福感と爽やかな感動に包まれる短編集。
著者等紹介
瀬尾まいこ[セオマイコ]
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。2001年『卵の緒』で坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー。05年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で第24回坪田譲治文学賞、13年に第31回咲くやこの花賞文芸・その他部門を受賞。18年『そして、バトンは渡された』で「キノベス!2019」第1位、19年に第16回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
310
『どうしてこんなかわいい女の子が必死で僕を探しているのだろうか』、『平太は奥さんと二人で旅行に行く…その間、私に娘を預かってほしいと言ってきた』、そして『知らないおじさんが家にいる。はな子は拾ってきたと言う』といった、なんとも不思議な設定となんとも不思議な登場人物が物語を動かしていく三つの短編から構成されたこの作品。それぞれに違和感のある物語冒頭が、美しく、温かく、そして、優しく紡がれる物語へと昇華していくその結末に、瀬尾さんならでは人の優しさを感じることのできる素晴らしい物語世界を満喫できた作品でした。2021/07/24
mae.dat
232
瀬尾さんは人と人との関係性を書くのがお好きですね。その関係性もそんじょそこらにあるようなものではなくてですね。3つの短編からなる本書ですが、全て例に漏れず。1話目の表題作は、恋から始まらない恋人と。おっとりしてて微笑ましい。2話の『タイムラグ』はそりゃないぜって嫌悪感を抱く人も居るかも知れない。でも見た目悪魔の天使イザベラなんですよね。最終話『がらくた効果』は、何と言っても佐々木さん。良いキャラしてる。新しい地盤を築いて、二人のもとに報告できると良いんですけどね。きっと大丈夫ですよね。( ¨̮ )。2021/10/13
昼寝ねこ
137
こんなシチュエーション絶対ないよねって思いながら読んで、読み終わったら、やっぱりこれもアリかもって素直に思えてしまう。途中で物語の着地点がわかってしまうけど、それもまたいい。これが瀬尾マジックって言うか、瀬尾ワールド。短編集なのでスキマ時間にサラッと読める。瀬尾ファンの方もファンじゃない方も、優しい気持ちになりたい時にお薦め。3話目の『がらくた効果』がカッ飛んだ設定で面白かった。個人的にも佐々木さんに知らなかったことをいろいろ教えてもらえたので、ありがとうございますと思っている。2024/10/17
ちょろこ
125
優しさが降り積もる、一冊。三編の物語はひとことで言うとどれも温か、ほんわか。どんな関係、設定でもそれをまるごとまるっと優しさで包んで言葉を紡いでいく、見事な瀬尾ワールドだった。優しい愛に包まれ新しい愛が生まれる瞬間も、心がどんどん優しく変化していく瞬間も良い。あり得ない設定、交流からもたらされるそれぞれの新しい一歩もまた良い。涙がでるほどではない。でも読み進めるうちにしっかり心の中心に優しさが降り積もりじんわり温かさがひろがり、最後はほんわかする…そんな心地良さを味わえる素敵な作品。2019/07/04
涼
110
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2021/12/post-061348.html 三篇とも、読了後まさに「優しい気持ち」になれます。2021/12/21
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